研究課題
1.簡約電磁流体力学モデルを用いたシミュレーションによる、核融合プラズマ閉じ込め周辺領域における乱流輸送を研究した。統計的に乱流が飽和しているフェイズにおいて、圧力-熱流束プロットを、ポロイダル方向のプラズマ回転に着目し行った。ここで、傾きをスティフネス・レベル、横軸の切片を臨界勾配と呼ぶ。得られた結論は、以下のとおりである。自発的なプラズマ回転によってスティフネス・レベルが変化するように見える。ただし、制御された回転の強さによるスティフネス・レベルの依存性は明確でない。臨界圧力勾配とプラズマ回転の強さには正の相関がみられた。この結果を州物理学会にて発表した。2011年度では、制御されたプラズマ回転の場合の論理で自発的な回転の場合を説明することを試み、論文にまとめる予定である。2.核融合プラズマのスクレイプ・オフ層における弾道的な輸送現象のシミュレーション研究を行った。非線形シミュレーションの結果から、系におけるセパラトリクス近傍から第一壁までの強い時空間的な自己相関が得られた。これはスクレイプ・オフ層の径方向輸送が弾道的であることを示唆している。また、径方向に伸びたメソ・スケールの対流胞がみいだされ、スクレイプ・オフ層の径方向輸送に関して、この自己組織化された構造による対流輸送が支配的であることが示された。この構造の径方向伝搬速度を理論的に評価した。この評価式は非線形シミュレーション結果から得られた径方向輸送速度と,のよい一致をみた。さらに、実効的な乱流輸送係数の評価を行い、その特徴がBohm的であることを発見した。この結果を国際原子力機関核融合分科会にて発表した。2011年度では、Bohm的な輸送の特徴を詳細に調べ、論文にまとめる予定である。3.研究を博士論文に総括し、九州大学の学位を取得した。さらに、フランス・プロヴァンス大学より学位を授与される予定である。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Proceedings of 23^<rd> IAEA Fusion Energy Conference
巻: THD/P3-07
Europhysics Conference Abstracts
巻: 34A
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 79 ページ: 044502-1-044502-8
