研究課題
1.簡約電磁流体力学モデルを用いたシミュレーションによる、核融合プラズマ閉じ込め周辺領域における乱流輸送を研究した。統計的に乱流が飽和しているフェイズにおいて、圧力勾配と熱流束の関係を、ポロイダル方向のプラズマ回転に着目し、研究を行った。圧力勾配の熱流束への統計的な応答(プロファイル・スティフネス)は、プラズマの回転によらないことがわかった。この結果を論文にまとめ、JPSJ誌にて発表した。2.同モデルを用いた研究において、弾道的な輸送現象の統計的な性質、および弾道的な輸送過程における、勾配と輸送の動的応答関係を詳細に調べた。核融合プラズマ閉じ込め周辺領域における弾道的な輸送について、その速度および特性長がturbulence spreading理論(Fisher-Kolmogorov則)による予測とよい一致をみた。この結果を論文にまとめ、PPCF誌に投稿した。3.核融合プラズマのスクレイプ・オフ層における弾道的な輸送現象のシミュレーション研究を行った。非線形シミュレーションの結果から、径方向システム・サイズ程度の強い時空間的な自己相関が得られた。これは径方向輸送が弾道的であることを示唆している。また、径方向に伸びたメソ・スケールの対流胞がみいだされ、輸送に関して、この自己組織化された構造による対流輸送が支配的であることが示された。この構造の径方向伝搬速度を理論的に評価した。この評価は非線形シミュレーション結果とのよい一致をみた。さらに、実効的な乱流輸送係数の評価を行い、その特徴がBohm的であることを発見した。輸送の統計的な性質にも論及した。この結果を論文にまとめ、JPSJ誌にて発表した。4.上記の業績および、1年間のフランス滞在中の仕事が評価され、九州大学の学位の他に、フランス・プロヴァンス大学より博士号を授与された。
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Journal of the Physical Society of Japan
巻: 81-4 ページ: 044501-1-044501-8
10.1143/JPSJ.81.044501
巻: 81-3 ページ: 034502-1-034502-7
10.1143/JPSJ.81.034502
Proceedings of the Plasma Conference 2011
ページ: 24D06