研究概要 |
本研究の目的は,モバイル環境におけるWeb検索を支援することである.従来のPCで行っていたWeb検索と異なり,モバイル端末はいつでもどこでも持ち運んでいるため,多様な状況で検索を行うと考えられる。モバイル端末の画面サイズや入力デバイス等の物理的な制限,また検索を行う状況の変化は,ユーザの情報要求,検索行動に影響を与えると考えられる. そこで,効果的なモバイルWeb検索システムの設計を目的として,本年度はダイアリースタディによるモバイルユーザの情報要求と検索行動に関する調査を行った.実験の結果から,以下に挙げる知見を得られた.1)検索を行う場所は,ユーザが検索に成功したと思うかどうかに強く影響を与える.2)ユーザの検索行動は,情報要求だけでなく,検索を行う場所にも影響を受ける. これらの知見から,コンテキストの変化に適応する検索インタフェースおよびモバイル環境におけるExploratory Searchの支援するとこで,ユーザの端末操作の対する認知レベルが低いときほどシステムがコンテンツや検索クエリを推薦し,また,認知レベルが高いときは,ユーザが積極的にシステムに検索意図を伝えることが可能となるようなシステムが有効であると考えた. 本研究は,ユーザが作成するクエリや選択する検索結果のパターンがユーザの置かれているコンテキストにどのように影響を調査している点で意義があり,今後,コンテキストアウェアなモバイルWeb検索システムを設計する上で非常に重要な知見が得られた.
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