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2011 年度 実績報告書

生体金属元素を用いる水中での水素活性化触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10J05090
研究機関九州大学

研究代表者

市川 幸治  九州大学, 工学研究院, 特別研究員(DC1)

キーワード水素活性化酵素 / 水中 / 生体金属元素 / ニッケル・鉄錯体 / ヒドロゲナーゼ / 白金 / 燃料電池 / 酸素極
研究概要

水素の分解・発生に用いられる触媒や電極である白金は高価であり、石油と同様に枯渇資源であるため、白金に替わる新規触媒が求められています。自然界では、水素活性化酵素ニッケル・鉄ヒドロゲナーゼが、白金と同様の働きを有しています。本研究の目的は、「天然酵素を範とした新規ニッケル・鉄錯体を合成し、燃料電池の電極触媒(アノードまたはカソード)に応用する」ことです。
今年度、数種類の新規ニッケル・鉄錯体の合成および構造解析に成功しました。さらに、これらの錯体の水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水などに対する反応性を評価したところ、酸素と反応することが分かりました。この研究成果は、生体を範とした白金に替わる新規触媒の開発に有用な指針を与える、非常に意義深い成果であります。
現在、燃料電池の電極触媒には白金が使用されており、白金の代替触媒の開発は燃料電池普及のために必要不可欠です。特に酸素極側での大きな電圧損失は改善が課題であり、これまで多くの酸素極触媒の開発が行われてきましたが、未だ白金レベルの性能を示す電極触媒は報告されていません。今年度新たに合成したニッケル・鉄錯体は、酸素と反応することが分かっていますので、来年度はこの錯体を酸素極触媒に応用する予定です。新規ニッケル・鉄錯体では、白金では無く、地球上に豊富に存在する「ニッケル」と「鉄」を使用しているため、脱貴金属・分子燃料電池の開発が期待できます。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度、数種類の新規ニッケル・鉄錯体の合成および構造解析に成功し、さらに、酸素と反応することが分かりました。このことから、おおむね順調に進行していると考えています。

今後の研究の推進方策

今年度新たに合成したニッケル・鉄錯体は、酸素と反応することが分かっていますので、来年度はこの錯体を酸素極触媒に応用する予定です。また、水素活性化酵素の活性化状態のモデル錯体の合成、結晶構造解析および反応性の評価を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] [NiFe]ヒドロゲナーゼのモデル研究2011

    • 著者名/発表者名
      市川幸治
    • 学会等名
      第61回錯体討論会2011(岡山)
    • 発表場所
      岡山理科大学(岡山市)
    • 年月日
      2011-09-17
  • [備考]

    • URL

      http://web.cstm.kyushu-u.ac.jp/ogo/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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