研究概要 |
超高圧合成法を用いてPd-AM(AM=Li,Na,K)系およびPd-Mg系新規水素化物について探索され、以下の新規水素化物の合成に成功した。Pd-Li系については、Pd-50mol%LiH試料を5GPa,873K,8hの条件で作製することにより、正方晶系の結晶構造を有する新規水素化物が得られた。Rietveld解析によりLiFeO_2型の構造(化学式:LiPdH_2,I41/amd,No.141,格子定数a=0.393nm,c=0.864nm)であると見積もられた。新規水素化物は、熱分析により505Kにおいて吸熱反応が観察され、LiPdHとPdへと分解した。SQUIDによる磁化率測定によりマイスナー効果が観察され、その超伝導転移温度は4Kと見積もられた。また、Pd-x mol%LiH(x=25-33)試料を5GPa,873K,8hの条件で作製することにより、立方晶系の結晶構造を有する新規水素化物が得られた。Rietveld解析により金属副格子がFCC型の構造で格子定数a=0.399nmであると見積もられた。格子定数から、FCC構造を有するPdH、のPdの一部がLiで置換された水素化物が形成していると考えられる。
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