研究課題/領域番号 |
10J05229
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森下 英晃 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | アミノ酸 / オートファジー / オルガネラ分解 / 蛍光イメージング / 水晶体 |
研究概要 |
アミノ酸はタンパク質や核酸の材料やエネルギー源として必須な栄養素である。しかし一方で、アミノ酸はタンパク質合成、細胞増殖、オートファジー等を直接制御していることも明らかになっている。これらの制御は細胞内のアミノ酸が担っており、その量は主に細胞外からの取り込みと細胞内からの産生によって調節されている。近年、アミノ酸の細胞への薬理作用は腫瘍、肝疾患、生活習慣病等の疾患とも関連することが分かっており、細胞内のアミノ酸の動態や機能を解明することは応用医学的にも極めて重要な課題であると言える。 しかしアミノ酸が細胞内にどれだけの量存在し、いつ、どこで、どのように変動しているかは全く不明である。そこで、本研究では細胞内アミノ酸レベルとその局在を可視化する方法を開発し、アミノ酸レベルの生理的・病態生理的状況下での変動を解明することを目的とする。細胞内アミノ酸レベルを可視化する方法の開発に当たり、FRET(fluorescence resonance energy transfer)による蛍光イメージング法を着想した。 本年度は昨年と同様、細胞内アミノ酸レベルを特異的に感知するタンパク質を用いて1分子・2分子FRETセンサーの作製を試みた。FRET候補分子をHeLa細胞に導入し、引き続きFRET効率のスクリーニングを行っているところである。 さらに昨年に引き続き今年度も、生体内でアミノ酸変化が見られる可能性のある現象として、水晶体分化時のオルガネラ分解にも着目し、蛍光イメージングを駆使した解析を行っている。その結果、アミノ酸産生オルガネラであるリソソームのオルガネラ分解への関与を見出し、水晶体学会にて発表した。現在、水晶体特異的にオートファジーをノックアウトしたマウスを用いた論文を作製中である。今後も引き続き、水晶体におけるアミノ酸レベルの変化の可視化も試みたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定ではアミノ酸センサーに加えて生体内でのアミノ酸変化系の確立と評価にも重きを置いており、その一環として水晶体オルガネラ分解過程の解析も精力的に進めている。その過程で非常に興味深い結果を得つつあるため(1)の評価とする。
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今後の研究の推進方策 |
今後もアミノ酸センサーのスクリーニングだけでなく生体内でアミノ酸変化を伴う現象についてとくに水晶体を中心として解析を進めていく予定である。アミノ酸センサー作製にあたってFRET効率を改善できるプローブの作製については今後とも様々な可能性を検討しつつ検討を深めていきたい。
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