研究課題
当初の計画であった「あかつき」のデータ解析は、「あかつき」の軌道投入失敗により遂行することが出来なかった。しかし解析のために予め作成したプログラムを「あかつき」と協力関係にあるVenus Expressのデータ解析に利用出来るため、現在はESAの電波掩蔽チームとコミュニケーションを取りながら、金星大気の研究を進めている。また最近では火星大気にも興味を持ち、過去にNASAが打ち上げた火星探査機Mars Global Surveyerの電波掩蔽のデータ解析に取り組んでいる。その中でも重力波(山岳波)に着目し、冬の北半球高緯度ではそれが他の時期に比べてより高い高度まで伝搬できることを初めて見出し、火星の大気循環、特に火星の冬極における突然昇温に寄与している可能性を示唆した。今後の研究の展望として、金星と火星それぞれにおける重力波を電波掩蔽のデータ解析から精確に捉え、平均場に対する影響を考察したい。そして地球・金星・火星の三者における重力波の振る舞いの違いという観点から、比較惑星気象学の構築に貢献することを目指す。
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Space Science Review
巻: 154 ページ: 305-316
日本惑星科学会誌
巻: 19 ページ: 347-349
http://www.stp.isas.jaxa.jp/nakamura/