研究課題/領域番号 |
10J05313
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石川 良子 立教大学, 社会学部, 特別研究員(PD)
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キーワード | ひきこもり / ライフストーリー研究 / 質的研究 |
研究概要 |
1.2001年から2~3年ごとに追跡調査を行なっている方々を中心にインタビューを行なった。調査協力者は皆自助グループや支援団体には既に参加しておらず、正規・非正規の違いはあれど何らかの職に就いて働いている人々である。インタビューでは現在の状況がどのようなものかを確認し、それをどう評価しているのか、現時点から振り返って引きこもった経験をどう捉えているのか、今後の人生・生活の展望はどのようなものか、といったことを自由に語ってもらった。その結果、全体的には自助グループや支援団体への参加を経て、活動の場を広げ職も得た現在を肯定的に捉えながらも、その一方で収入を得るために自分の価値観や信念を犠牲にしているという葛藤も抱えていること、改めて労働と生き方との関わりを問うていることが分かった。 2.昨年度に引き続き、調査方法論の検討を行なった。近年、質的調査の再評価が進むなかで調査協力者の経験のみならず調査過程における調査者の経験をも含めて記述する著作が増えている。そうした自己言及的な記述の意義をライフストーリー研究の観点から考察し、その意義を以下2点にまとめた。第一に調査協力者の経験の理解可能性を高めるために必要不可欠な文脈を提供できること、第二に調査者の経験に読者が自らの経験を重ね合わせることによって社会で生き抜くための知恵を引き出しうることである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールド調査とインタビュー調査は調査協力者のご厚意もあって順調に進んでいる。調査方法論の検討についても論文を投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である今年度は、研究成果をまとめることに専念する。これまでに行なったインタビュー記録の整理を終わらせ、途中経過を研究会などで報告しながら分析・解釈を進める。成果は次年度以降に出版予定の論文集および単著で発表することになっている。
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