研究課題
3次元多層光メモリの記録密度をより向上させるため、新規記録材料の使用を検討した。記録材料は3種類あり、1、記録部が蛍光を発する材料、2、記録部が消光する材料、3、記録部に突起ができ、再生時は光散乱によって再生光量が低下する材料を使用した。記録特性を評価するためにチタンサファイアレーザーと、富上フィルム株式会社製の小型フェムト秒パルスレーザーを使用した。再生には反射型共焦点顕微光学系を使用し、評価した。3種類の材料を評価した結果、3番目の材料の記録ビットサイズは、従来使用してきたジアリールエテン系材料のものと比較して20%以上小さく形成できることがわかった。この記録材料を使用することで、多層光メモリの面内記録密度をより向上させることができると言える。新しい多層光メモリであるロール型光メモリの1次元並列再生を行った。ライン状のビームを用いて一度に複数の信号を読み出し、転送レートの向上を図った。DVDのトラックピッチを読み出した結果、一度に10以上の信号を読み出すことに成功した。このことから、転送レートは従来の光メモリと比較して10倍以上向上させることができると言える。上記の結果は光メモリ国際シンポジウム(ISOM'10)で報告し、Best Academic Paper Awardを受賞した。また映像メディア学会マルチメディアストレージ研究会で報告し、磁気記録・情報ストレージ専門委員会委員長賞を受賞した。本年度は論文を1件投稿し、Japanese Journal of Applied Physicsに掲載された。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: Vol.49 ページ: 08KF03-1-08KF03-6
http://optsci.eng.shizuoka.ac.jp/publications_j.html