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2010 年度 実績報告書

亜熱帯ダイポールモード現象がアフリカ南部の降水量に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 10J05944
研究機関東京大学

研究代表者

森岡 優志  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード亜熱帯ダイポールモード / 混合層 / アフリカ南部の降水
研究概要

アフリカ南部の降水量は南インド洋および南大西洋の海面水温の経年変動現象「亜熱帯ダイポールモード」に影響を受ける。この現象は、各海盆の北東部と南西部に海面水温偏差の極を伴い、南半球夏季(12-2月)に最も成長する。
本研究では、海洋大循環モデルの結果を用いて、南大西洋の亜熱帯ダイポールモードの成長/減衰機構を調べた。その結果、正(負)の海面水温偏差の極は、日射の効果で成長していることが分かった。これは、混合層厚が平年に比べてより薄く(厚く)なった結果、日射による混合層の加熱が強め(弱め)られたことによる。また、混合層厚の偏差は、亜熱帯高気圧の南下と強化に伴う潜熱偏差によることが示唆された。
亜熱帯ダイポールモードが成熟した後、正(負)の海面水温偏差の極は、エントレインメントの効果で減衰し始め、その後、潜熱の効果で減衰することが分かった。エントレインメントの効果は、混合層の水温がより高く(低く)なった結果、混合層下部との水温差がより大きく(小さく)なり、エントレインメントによる混合層の冷却が強め(弱め)られたことによる。また、潜熱の効果は、混合層が平年に比べてより薄く(厚く)なった結果、潜熱による混合層の冷却が強め(弱め)されたことによる。
以上の結果は、海面水温偏差の成長/減衰に潜熱偏差が直接寄与するという先行研究の結果と異なる。先行研究では考慮されなかった混合層厚の変動が亜熱帯ダイポールモードの成長/減衰に重要な役割をすることが、本研究により初めて明らかにされた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] On the growth and decay of the subtropical dipole mode in the South Atlantic2011

    • 著者名/発表者名
      Yushi Morioka, Tomoki Tozuka, Toshio Yamagata
    • 雑誌名

      Journal of Climate

      巻: 24 ページ: 5538-5554

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Climate variability in the southern Indian Ocean as revealed by self-or ganizing maps2010

    • 著者名/発表者名
      Yushi Morioka, Tomoki Tozuka, Toshio Yamagata
    • 雑誌名

      Climate Dynamics

      巻: 35 ページ: 1059-1072

    • 査読あり
  • [学会発表] 大気海洋結合モデルで再現された亜熱帯ダイポールモードの形成機構2011

    • 著者名/発表者名
      森岡優志、東塚知己、山形俊男
    • 学会等名
      日本海洋学会春季大会
    • 発表場所
      東京大学(柏市)
    • 年月日
      2011-03-23
  • [学会発表] IOSD and SASD variations in the SINTEX-F1 model simulations2010

    • 著者名/発表者名
      Yushi Morioka, Tomoki Tozuka, Toshio Yamagata
    • 学会等名
      SATREPS symposium
    • 発表場所
      Univ.Aizu (Aizu Wakamatsu City)
    • 年月日
      2010-12-16
  • [学会発表] The generation of the subtropical dipole mode in the South Atlantic2010

    • 著者名/発表者名
      Yushi Morioka, Tomoki Tozuka, Toshio Yamagata
    • 学会等名
      SASAS 2010
    • 発表場所
      San Francisco (USA)
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] 南大西洋亜熱帯ダイポールモードの減衰機構2010

    • 著者名/発表者名
      森岡優志、東塚知己、山形俊男
    • 学会等名
      日本海洋学会秋季大会
    • 発表場所
      北海道大学(釧路市)
    • 年月日
      2010-09-07

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公開日: 2013-06-26  

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