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2010 年度 実績報告書

胸腺組織におけるクローディンの発現とその機能

研究課題

研究課題/領域番号 10J06386
研究機関京都大学

研究代表者

瀬海 美穂  京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード免疫 / 胸腺
研究概要

胎生期のCldn-3, 4hi細胞が長期間髄質の構築を維持できる前駆細胞もしくは幹細胞である可能性を検討するとともに、胎生期Cldn-3, 4hi細胞の移植により形成された髄質が自己寛容を成立させるのに十分であるかを明らかにする目的で、まず髄質上皮細胞(mTEC)の分化異常の結果、自己免疫疾患を発症するaly/alyマウスを用いた実験系を確立した。aly/alyマウスの胸腺を再集合させヌードマウスに移植することでaly/alyマウスで見られる自己免疫疾患の発症が誘導された。そこでaly/alyマウス胸腺にCldn-3, 4hi細胞を混ぜた再集合胸腺を移植した結果、aly/alyマウスの再構築胸腺では見られないAire+mTECを含む正常な髄質が認められた。mTECは組織特異的抗原(TSA)を発現することで自己寛容を成立させ、その中にはAire依存的TSAと非依存的TSAが存在する。cldn-3, 4hi細胞を加えた再構築胸腺では、Aire依存的TSAのみでなく非依存的TSAの発現も顕著に増加していた。また、Cldn-3, 4hi細胞を加えた再構築胸腺移植マウスにおいて自己免疫疾患の特徴である各組織へのリンパ球の浸潤が減少していた。これらの結果から、cldn-3, 4hi細胞はAire依存的・非依存的TSAを発現するすべてのmTECへ分化し、正常な髄質を持たない胸腺において自己寛容を成立させる機能的な髄質を構築することが明らかとなった。非常に興味深いことに、移植後4ヵ月以上の再構築胸腺でもCldn-3, 4hi細胞由来のAire+mTECが検出されることがわかった。これまでに長期間維持されるTECの報告はなく、その幹細胞の存在も証明されていない。そこで、Cldn-3, 4hi細胞が幹細胞である可能性を考え、その自己複製能を検証するため、in vitroで胎児胸腺から単離したTECを用い分化抑制条件下でコロニーアッセイを行った。一細胞から形成されたコロニーを免疫染色した結果、Cldn-3, 4を発現するコロニーが存在した。さらに、Cldn-3 ,4+コロニーはin vitroにおいて継代が可能であり、この結果はコロニーの自己複製能を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Increased c-Myc activity and DNA damage in hematopoietic progenitors precede myeloproliferative disease in Spa-1-deficiency.2011

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Tanaka
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 102 ページ: 784-791

    • 査読あり
  • [学会発表] Claudin-3, 4-positive mTEC progenitors maintain the potential to generate functional Aire-expressing mTECs over a long period2010

    • 著者名/発表者名
      Miho Sekai
    • 学会等名
      British Society for Immunology Annual Congress 2010
    • 発表場所
      Liverpool, UK
    • 年月日
      20101206-20101210

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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