研究課題
DlKl-Dio3ドメインにおける非コード遺伝子群の異常は、Dlkl-Dio3ドメインの異常に起因する疾病だけでなく、三大成人病の1つとして挙げられる癌と密接に関連する可能性が高い。よって、これら非コード遺伝子群の機能解析を行い、作用機構が解明されることによって、さまざまな疾病の新たな原因解明や、治療法の開発に繋がると考えられる。Dlkl-Dio3ドメインの非コード遺伝子群が発現低下を示すGt12母方欠損マウスを用いて、2つの腫瘍形成実験を行った。Gt12母方欠損由来の繊維芽細胞は、野生型の繊維芽細胞に比べて、老化しにくく増殖率が高い傾向にあった。また、胎齢6.5日のGt12母方欠損胚および野生型胚を免疫不全マウスの腎被膜下へ移植し、腫瘍サイズを比較すると、Gt12母方欠損胚由来の腫瘍は野生型に比べて大きく、個体間でばらつく傾向にあった。よって、Gt12を含めた非コード遺伝子群は腫瘍抑制遺伝子として機能し、腫瘍サイズの増大に関与する可能性が示唆された。続いて、Dlkl-Dio3ドメインの非コード遺伝子群の発現異常と致死性との関連性を探るため、BAC(人工細菌染色体)を用いて、非コード遺伝子群の過剰発現マウスの作製を試みた。現在までに3匹のトランスジェニックマウスが得られ、解析を進めている。非コード遺伝子群の過剰発現マウスの解析により、非コード遺伝子群の新たな役割が解明されることを期待される。
すべて 2010
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Journal of Biological Chemistry
巻: 20;285(34) ページ: 26121-26125