研究概要 |
Windows上で動作するKVM互換のVMMである,WinKVMの開発を行った.WinKVMは2段階の段階を経て開発された.第1段階は,WinKVM上で他のオペレーティングシステム(OS)が動作できるようになるまで,WinKVMの移植を進めた.WinKVMを移植するということは,LinuxのデバイスドライバをWindowsに移植することと言い換えられる.Linuxは多数のAPI,マクロやヘッダファイルをデバイスドライバ開発者に提供しており,KVMをWindowsへ移植するにあたって,KVMが使用しているこれらのAPI,マクロやヘッダファイルを,すべて,Windows上のデバイスドライバ開発キット上への移植を行った.第2段階では,KVMとWinKVM間でライブマイグレーションができるようにWinKVMの調整を行った.KVMのライブマイグレーションは,実用的な利用例があまり報告されておらず,システムとしての完成度の低さが懸念される.そのため,KVMとWinKVMを合わせての調整は必須であった.その結果,WinKVMとKVM間でのライブマイグレーションが可能となり,本研究の成果はクライアント用とのOSであるWindowsと,サーバ用OSであるLinuxをつなぐためのVMライブマイグレーションが実現した.このシステムは,本研究のテーマである次世代個人用計算機環境の実現の第一歩である.
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