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2010 年度 実績報告書

大気中超微小粒子の生成・成長挙動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10J06814
研究機関埼玉大学

研究代表者

工藤 慎治  埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード大気観測 / 超微小粒子 / 成分分析 / 移動発生源 / 固定発生源 / 二次生成粒子
研究概要

本研究は、呼吸器系への高い吸入・沈着性から健康影響が懸念されている大気中の超微小粒子(粒径0.1μm以下の粒子;以降UFPと表記)の捕集ならびに成分分析により、UFPの大気挙動を明らかにするものである。本年度は、日本ならびにドイツの道路近傍、およびタイのたばこ乾燥工場近傍にてUFP観測を行った。観測地点は、UFPの主要な発生源として考えられている自動車排ガスの影響のある道路近傍大気、ならびにバイオマス燃焼を利用した工場の近傍大気をそれぞれ選定した。各地点ではUFPと並行し、わが国において2009年に環境基準として新たに導入されたPM_<2.5>(粒径2.5μm以下である粒子)の捕集も行い、粒子組成および成分濃度の把握を試みた。主要成分(炭素成分、イオン成分)の分析結果より、道路近傍観測ではUFP、PM_<2.5>の両粒径で炭素成分の割合が高く、粒子中の組成比が異なることが明らかとなった。これは今後、大気中の粒子状物質を評価する際に、きちんと粒径を分けて議論する必要があることを示唆している。また、UFP成分中に微量元素(金属成分)が検出され、直接大気中へと排出された人為起源UFP成分を明らかにした。日本、ドイツの粒子組成に関しては、UFPではドイツのイオン成分の割合が高く、PM_<2.5>では日本の炭素成分の割合が高い結果が得られたが、ガソリン・ディーゼル混合率の異なる両国において明確な区別はできず、さらなる定性分析を検討している。一方、タイの観測結果より、バイオマス燃焼の指標成分であるカリウムイオンが両粒径で検出され、UFPにおいても発生源指標成分の推定が可能であると確認できた。また、大気観測だけからではUFPの成長挙動解明が困難なため、実験室内において大気中の光化学反応を模擬したUFP上への成長機構の調査ができる実験系の構築を行った。今後、UFPの二次成長に関する実験を進めていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] タイ北部の固定発生源から排出される超微小粒子および微小粒子の組成特性2010

    • 著者名/発表者名
      工藤慎治
    • 学会等名
      第51回大気環境学会年会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2010-09-10
  • [学会発表] Comparison of carbonaceous and ionic compounds in ultrafine particles between Japan and Germany2010

    • 著者名/発表者名
      工藤慎治
    • 学会等名
      International Aerosol Conference
    • 発表場所
      Helsinki, Finland
    • 年月日
      2010-08-31
  • [学会発表] 室内環境を意図した二次有機エアロゾル生成に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      工藤慎治
    • 学会等名
      第27回エアロゾル科学・技術討論会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2010-08-03

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公開日: 2012-07-19  

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