研究概要 |
■高ダイナミックレンジ画像(HDRI)の生成について:カメラレスポンスカーブ(CRC)により生じる画素値の非線形性を補正し,補正した多重露光画像に動き補正を行い統合することでゴーストのない高精細なHDRIを生成する.一般にCRC補正手法は動きに弱く,逆に動き補正手法はCRCによる非線形性に弱い.そこで,本研究ではそれらの手法を繰り返すことで,正確なCRCと正確な動き補正に近づける.この手法により市販の比較的安価なカメラを使ってユーザが簡単にHDRIを生成することが出来る,現在,関連技術をPaperで2本投稿中であり,実績としてはまだ存在しない. ■HDRIのトーンマッピング(TM)手法について:HDRIは広いDRにより従来のデバイスに直接入力できない.そのため,HDRIの特徴を残したまま従来のデバイスへ直接入力できるDRにまで圧縮するTM技術と,それにより得られるTM画像はHDRIを扱う上で非常に重要となる.これまでに提案されてきたTM手法はほとんどが線形の放射照度マップを対象に行われてきたが,新しく開発されている非線形応答を持つHDRイメージセンサにより撮影されたHDRIに対してそのまま適用できる手法は少ない.そこで,非線形応答のHDRイメージセンサに対して最適なTM手法を考案した,この研究はPaper1本,Letter1本,国内学会2本,AC率35%程度の国際学会1本にて発表を行った.その他の手法で国内学会2本. ■HDRI符号化について:HDRIを"TM画像"と"HDRIとそれの差分"の二層に分けて符号化することで,スケーラビリティを持つ二層HDR符号化が注目されているが,二層目が差分情報であるため圧縮効率が悪い.そこで,高周波成分を含まない1チャンネルのマップを用いる事で可逆処理が行えるTMを考案する.これを用いることで二層目に高周波成分を含まないマップを適用することが出来,圧縮の効率が向上する.この技術はHDRIが普及する上で非常に重要な技術である.この研究はPaper1本,国内学会1本にて発表を行った.
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