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2011 年度 実績報告書

初期世代・超金属欠乏星の重元素分布再現から迫るガンマ線バーストの起源

研究課題

研究課題/領域番号 10J07342
研究機関東京大学

研究代表者

泉谷 夏子  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード超新星 / 元素合成 / ニュートリノ
研究概要

前年度に開発した元素合成計算コードのテストを引き続き行い、さらに、Ni56、C12、He4に対するニュートリノ反応の反応率を最新の物に取り替えた。具体的には、中性子ドリップラインから陽子ドリップラインまでの核種を含んだネットワークや中性子過剰核のみを含んだネットワークなどを作成し、同じモデルで計算したときに同一の結果が出るかどうか確かめた。また、高温部での計算時間の短縮のため、核統計平衡を採用するようにしたが、その時の中性子と陽子の比が核統計平衡を採用する下限温度をある程度変化させても一致することを確かめた。また、爆発シミュレーションに関するワークショップに参加し、最終年度で元素合成計算に用いる爆発シミュレーションデータを準備し終えることができた。様々な質量を持つ星において安定した流体力学的計算を行うことが必須であるが、これまでの核燃焼プログラムに改良を加え、より厳密に核燃焼による熱の収支を計算できるようにした。また、これまで、中性子と陽子の比を一定値として計算していたが、これを星の初期データの中性子と陽子の比を代入し、爆発計算を行うようにした。また、計算の過程で原子核の個数は核燃焼により変化する。これも時間発展とともに変化するよう改良を行った。また、これまでの状態方程式では高密度領域において計算が破綻するという問題があったが、これを新しい状態方程式に取り替えた上で安定に動くようにした。観測に関する最新の知識とともに予定した元素合成計算コードと爆発シミュレーションデータを今年度までに完成させることができ、最終年度に向けて十分な準備をすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

二年目までの計画であった元素合成ネットワークの完成、テストと、流体力学的データの準備を終えることができ、また、それに加え今までに出た結果を用いて投稿論文も仕上げることができたので。

今後の研究の推進方策

今後は完成した元素合成ネットワークち流体力学的データを用いて元素合成計算を行い、元素分布を求めていく。またその元素分布を観測と比較し、宇宙初期の超新星について考察する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Recipe for Potassium2012

    • 著者名/発表者名
      泉谷夏子
    • 雑誌名

      AIP conference Proceedings : The 11th International Symposium on Origin of Matter and Evolution of the Galaxies

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evolution of Fluorine in the Galaxy with the nu-process2011

    • 著者名/発表者名
      小林千晶、泉谷夏子、Karakas, A.I.、吉田敬、Yong, D.、梅田秀之
    • 雑誌名

      The Astrophysical Journal Letters

      巻: 739 ページ: 57-60

    • 査読あり
  • [学会発表] Supernova Nuclesoynthesis as a tool for extrading information about the explosion energy, the total neurtino energy, and the progenitor mass2012

    • 著者名/発表者名
      泉谷夏子
    • 学会等名
      Death of Massive Stars : Supernova and Gamma-Ray Bursts
    • 発表場所
      日光千姫物語(栃木県)
    • 年月日
      20120312-20120316
  • [学会発表] Nucleosynhesis of High-Entropy Hot-Bubbles of Sne and Abundanace Patterns of Extremely Metal-Poor Stars2011

    • 著者名/発表者名
      泉谷夏子
    • 学会等名
      Supernova and Their Host Galaxies
    • 発表場所
      Sidney (Australia)
    • 年月日
      20110620-20110624
  • [学会発表] 超新星元素合成2011

    • 著者名/発表者名
      泉谷夏子
    • 学会等名
      素核宇融合による計算基礎物理学の進展
    • 発表場所
      合歓の郷(三重県)(招待講演)
    • 年月日
      2011-12-04
  • [学会発表] 超新星元素合成におけるニュートリノ反応とフッ素の銀河化学進化2011

    • 著者名/発表者名
      泉谷夏子
    • 学会等名
      日本天文学会秋季年会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県)
    • 年月日
      2011-09-21
  • [学会発表] 超新星ニュートリノ元素合成と重力崩壊の超新星元素分布への影響2011

    • 著者名/発表者名
      泉谷夏子
    • 学会等名
      日本天文学会秋季年会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県)
    • 年月日
      2011-09-20

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公開日: 2013-06-26  

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