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2010 年度 実績報告書

戦後日本の警察と秩序維持についての政治史研究 1945―1960

研究課題

研究課題/領域番号 10J07389
研究機関東京大学

研究代表者

中澤 俊輔  東京大学, 社会科学研究所, 特別研究員PD

キーワード警察 / 秩序維持 / 日本政治史 / 太平洋戦争 / 占領期 / 戦後政治 / 地方自治 / 公文書
研究概要

報告者は、戦後日本の警察と秩序維持をめぐる政治過程を再検討して、敗戦、占領、独立の激動の時代に警察がいかなる変化を遂げ、政治がいかなる秩序維持を模索したかを明らかにしようとした。
平成22年度は、国内の史料調査を網羅的に行う研究計画にもとづいて、(1)国の公文書、(2)自治体の公文書、(3)政治家・官僚の私文書、(4)刊行物に関して、それぞれ調査を行った。特に、自治体の文書館で史料調査を行い、地方警察の実態と課題を考察することができた。
第一に、戦時期から戦後初期にかけての地域の秩序維持について、連続性と転換の両面を見出すことができた。例として、戦時期の防空・防火活動に従事した警防団は、戦後の民主化によって活動や組織の変化を遂げつつ、地域の防犯組織として継続した。
第二に、地域の課題に対する警察の対応について、詳細な分析が可能となった。
第三に、国家的な課題や、全国に共通した課題に対して、各地域の警察の対応を比較することができた。例として、商品の価格統制や闇市の取締を行う経済警察や、占領軍との折衝が挙げられる。
第四に、戦後の自治体警察について、自治体の規模、経済力、民間の協力度、政治状況を考慮して検討を行った。例えば、小規模の自治体が自主的に自治体警察を廃止する一方、大都市は自治体警察の廃止に反対し、中央政界にも積極的な働きかけを行った。
以上のように、地方の公文書を比較することで、地域の枠を超えた立体的な考察が可能となる。
今後は、政治結社対策、社会運動対策、自治体警察の導入などの占領期の秩序維持政策について、諸外国との比較を行いながら、より研究を深めていく予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本の朝鮮植民地支配と警察-一九〇五~一九四五年(書評松田利彦著)2010

    • 著者名/発表者名
      中澤俊輔
    • 雑誌名

      史学雑誌

      巻: 119(4) ページ: 70-80

  • [雑誌論文] 治安維持法の再検討-政党内閣期(一九一八~三二)を中心に-2010

    • 著者名/発表者名
      中澤俊輔
    • 雑誌名

      年報政治学

      巻: 2010-I ページ: 194-214

    • 査読あり
  • [学会発表] C6近代日本の政権交代と官僚制-内務省の事例から(討論者)2010

    • 著者名/発表者名
      中澤俊輔
    • 学会等名
      日本政治学会
    • 発表場所
      中京大学
    • 年月日
      2010-10-10

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公開日: 2012-07-19   更新日: 2013-05-09  

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