研究課題/領域番号 |
10J07389
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中澤 俊輔 東京大学, 社会科学研究所, 特別研究員PD
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キーワード | 日本政治史 / 占領期 / 警察 / 戦後政治 / 自治体 / 公文書 / 破壊活動防止法 / 情報公開 |
研究概要 |
(1)全国の文書館で調査を行い、各館が所蔵する警察に関する資料を調査した。 調査先は宮城県立文書館、群馬県立文書館、栃木県立文書館、埼玉県立文書館、神奈川県立公文書館、新潟県立文書館、愛知県立文書館、岐阜県歴史資料館、福井県立文書館 高山市の保管する戦後の自治体警察に関する公文書を調査した。 大阪市と大阪市公文書館に情報請求を行い、同市の保管する大阪市警察に関する公文書を調査した。 (2)警察関係法令、特に破壊活動防止法の制定過程に関して警察法令について資料調査を行った。 国立公文書館所蔵の「佐藤達夫関係文書」のうち、破壊活動防止法に関係する資料を調査した。 全国の検察庁に情報公開請求を行い、破壊活動防止法に関する行政文書について公開を請求した。請求の結果、一部公開を認められた。 (3)戦後日本の警察に関する刊行資料を調査した。 (4)米国の各機関の所蔵する警察関係の資料について情報を収集した。 以上の調査の結果、自治体警察の制度と実際の運用について知見を得ることができた。 特に、地方都市のモデルケースとして高山市警察に関する資料を調査したこと、また大都市の自治体警察のケースとレて大阪市の自治体警察廃止反対運動について調査したこと、福井県の自治体における警察廃止に関する資料を調査したことは有益だった。 また、破壊活動防止法に関して、「佐藤達夫関係文書」を調査した結果、従来空白部分のあった同法の起草:過程について知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
東日本大震災の後に一時期全国での調査を見合わせたが、二〇一一年六月より調査を再開した。特に、地方都市の自治体警察のモデルケースとして高山市の公文書を調査できたことは、本研究にとって有益であった。 また、近年公開された新資料によって、一九五二年の破壊活動防止法の起草過程と、同時期の東西冷戦下における政府の治安認識について検討できたことも大きい。
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今後の研究の推進方策 |
引続き戦後の警察と秩序維持に関する調査を継続する。今後は、自治体警察が廃止された一九五四年以降の警察と秩序維持についてもできるかぎり調査を行う。 同時に、これまでの研究成果を総括する作業に入る。 また、昨年度保留していた米国の機関での資料調査を行う予定である。
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