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2012 年度 実績報告書

メダカDa変異体を用いた体幹部背腹パターン形成メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10J07483
研究機関東京大学

研究代表者

河西 通  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードメダカ / 背腹 / 体節 / 発生
研究概要

体幹部の背腹を決定するメカニズムについては、これまでに初期胚でBMPなどの分子がつくる非対称な濃度勾配によって背腹軸が形成されることが明らかになってきた。しかし、この発生初期の軸性が発生後期における実際の形態としての背腹パターンとどのように繋がっているのかについては、ほとんど理解されていない。
本研究では、ユニークな背腹異常の表現型を示すメダカ突然変異体Daを用いて、脊椎動物の発生過程後期における背腹パターン形成メカニズムを明らかにすることを目的としている。
私はこれまでに、新たに確立した組織移植実験系を用いて、Da変異体の原因遺伝子zic1およびzic4の体節における発現が、体幹部の外部形態の背側化を支配していることを示した。zic1およびzic4は体節形成後まもなく体節において発現する遺伝子である。
今回、メダカにおける初代培養実験の結果から、体節におけるzic1およびzic4の区画的な発現が周囲の組織によって誘導されていること、そしてその発現は発生後期以降細胞自律的に制御されるようになることがわかった。すなわち、メダカの体幹にみられる背腹方向の区画的な構造は、発生後期においてzic1およびzic4を介して、BMPなどの濃度勾配情報からアナログ-デジタル変換されていると解釈できる。また、さまざまな魚類について遺伝子発現解析を行った結果から、本機構は少なくとも魚類において広く保存されていることがわかった。
以上の結果の一部は、研究論文としてDevelopment誌に受理された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Trunk exoskeleton in teleosts is mesodermal in origin.2013

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Shimada
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 4

    • DOI

      10.1038/ncomms2643

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Modular development of the teleost trunk along the dorsoventral axis and zic1/zic4 as selector genes in the dorsal module.2013

    • 著者名/発表者名
      Toru Kawanishi
    • 雑誌名

      Development

      巻: 140 ページ: 1486-1496

    • DOI

      10.1242/dev.088567

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The medaka zic1/zic4 mutant provides molecular insights into teleost caudal fin evolution.2012

    • 著者名/発表者名
      Yuuta Moriyama
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 21 ページ: 601-607

    • DOI

      10.1016/j.cub.2012.01.063

    • 査読あり
  • [学会発表] メダカDa 変異体を用いた背側形態形成機構の解析2013

    • 著者名/発表者名
      河西 通
    • 学会等名
      東京大学 第一回 卓越した大学院拠点形成支援補助金 理学系生命科学研究室・研究交流会リトリート
    • 発表場所
      大磯プリンスホテル(神奈川県)
    • 年月日
      2013-02-20
  • [学会発表] Expression level of the dorsal determinant gene zic1 associates with size variation in the dorsal fin of medaka2012

    • 著者名/発表者名
      Toru Kawanishi
    • 学会等名
      第18回 小型魚類研究会
    • 発表場所
      京都大学紫蘭会館(京都府)
    • 年月日
      2012-09-22
  • [学会発表] メダカの背鰭サイズの変化と背側領域決定遺伝子zic1の発現量変動との関係2012

    • 著者名/発表者名
      河西 通
    • 学会等名
      日本動物学会 第83回大会
    • 発表場所
      大阪大学豊中キャンパス(大阪府)
    • 年月日
      2012-09-13

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公開日: 2014-07-16  

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