研究課題
当該年度に行った研究は、東工大における硫化カルボニルの安定同位体比測定装置の開発と、コペンハーゲン大学における硫化カルボニル消滅過程の同位体分別係数の決定である。前者は、世界でまだ例のない測定法の開発であり困難を伴い、今年度中の測定法の完成とは至っていない。しかし、5nmo1程度の極微量試料を用いた四種硫黄同位体比測定方法を確立した。コペンハーゲン大学での在外研究を2回合計2ヶ月間の実験を行った。本研究では、硫化カルボニル(OCS)の同位体分子種の紫外線吸収特性を比較し、光解離過程における同位体分別が従来の見積もりよりも小さいということを明らかにした。そして、OCSの光解離過程では質量非依存同位体分別はほとんど生じないであろうことを明らかにした。また、コペンハーゲン大学の所有する大気光化学チャンバーを用い、大気中ラジカル反応である酸素ラジカルとOCSの同位体分子種の実験を行い、実験条件などの検討を終わり、次年度以降に詳細なデータ取得を行う。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)
Environmental Science and Technology
巻: 45 ページ: 917-922