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2010 年度 実績報告書

小胞体形成に必須な新規因子PecanexのNotch情報伝達における機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 10J07624
研究機関東京理科大学

研究代表者

山川 智子  東京理科大学, 基礎工学研究科生物工学專攻, 特別研究員(DC2)

キーワードNotch / Pecanex / 小胞体ストレス / UPR / 神経過形成 / フォールディング / ショウジョウバエ / Drosophila
研究概要

多細胞生物におけるNotch受容体(Notch)を介した情報伝達系(Notch情報伝達系)は、細胞間の直接的接触による細胞間相互作用で機能し、多様な細胞運命を決定しています。ショウジョウバエpecanex (pcx)のホモ接合体同士から生まれた胚(pcx胚)は、Notch情報伝達の喪失を示す神経細胞の過形成が起こることから、Notch情報伝達系の構成遺伝子として考えられてきましたが、その機能についてはこれまで全く理解されていませんでした。
これまでの私の研究結果から、PcxはNotchが活性化されるまでの過程で機能していることがわかりました。また、Pcxは小胞体タンパク質であり、pcx胚で小胞体が肥大することから、pcxは小胞体の形態形成に必須であることが示唆されました。これらの結果から、私は、Notch情報伝達系はPcxの小胞体における機能に依存して起きると予測しました。そこで平成22年度では、Notchが小胞体内で活性化のために受けるプロセスの一つ、フォールディングに対するpcxの影響を調べました。小胞体内にフォールディングされないタンパク質が生じることを小胞体ストレスといいます。小胞体ストレスを受けた細胞では、ストレス状態から回避するために、フォールディングを向上する遺伝子の発現誘導が起こります。これらの遺伝子に対する転写因子Xbp1をコードする遺伝子をpcx胚内で強制発現させ、神経過形成や小胞体の異常に改善が見られるかを調べました。その結果、いずれも顕著に救済されることがわかりました。これらの結果から、pcx胚におけるNotch情報伝達の喪失は、小胞体機能の異常が原因であり、またこれはUPR制御下にあることが明らかとなりました。今後は、Pcxが関与する小胞体機能に注目し、Pcxの生化学的な機能について詳細な解析を行っていきたいと考えています。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Function of a neurogenic gene, pecanex in Notch signaling2010

    • 著者名/発表者名
      山川智子
    • 学会等名
      第5回Notch研究会
    • 発表場所
      東京理科大学
    • 年月日
      2010-11-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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