研究概要 |
本研究の目的は,申請者がこれまでに開発した平面/空間充填の幾何学に基づく新しい軽量コアパネルの開発に関する研究を発展させ,構造に収納・展開機能を持たせることにより,将来の大型宇宙構造物を実現するために利用可能な,新しい展開型の構造要素を開発することにある.平成22年度は,既存のコアモデルの中から展開構造に応用可能なものを分類整理すると共に,マイナスのボアソン比を持つAUXETIC構造を研究している英国ブリストル大学先進複合材センターとの共同研究を経て,収納・展開性能をもつNRPハニカムコア,立方体形コアについて先進複合材による試作を中心に研究を行った.これらのモデルは,ケプラー織布のプリプレグシートにパターンに従った切込みを入れ,型の上で成形,硬化させた後,折り曲げて立体化され,製作方法の確立により,当モデルに対し数値解析のみならず実験による検証が可能となった.また,セル構造体の展開メカニズムをより一般化するため,ロン・レッシュパターンに代表される2次元の折りたたみ・展開モデルを分類,整理するとともに,これらの展開メカニズムを応用したゴム製の2次元展開板モデルを製作し,これらが実際に収納・展開機能を持つことを確認した.これらのモデルは,ウレタンゴムの板に,NC加工機であるパターンに従い周期的な切抜き部を設けることで製作され,これまで製作されたAUXETIC構造と比べでも非常に簡単に製作が可能である点にメリットを有し,展開構造として幅広い応用が期待できる.
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