研究課題/領域番号 |
10J07875
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
川口 純 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 教員養成 / 費用対効果分析 / FTI / 国際教育協力 / 教育社会学 / カリキュラム改革 |
研究概要 |
2010年~2012度全体を通じて、当初の研究計画に沿って研究を実施致しました。特に研究対象としているマラウイでのフィールド調査(2010年12月~2012年3月まで5ヶ月間ほど実施)を実施し、質的データの収集に努めました。収集したサンプル(質問紙調査)は合計で150本に上り、当初の計画を上まわる成果を残すことが出来ました。 上記の現地調査が成功裏に進められた事は、これまでマラウイで3年間継続的に調査・研究を遂行してきた賜物であると考えられます。継続的に研究を推進してきたことにより、現地での関係者とのネットワークが年々充実してきました。私自身も、現地語や現地の地理にも以前に増して精通して参りました。現地において、私の個人的な研究に協力して下さる方が、マラウイ大学、JICA(国際協力機構)、教育省にいて下さる事が、大変助かっています。このようなネットワークは今後も私の研究財産になるだろうと考えられます。フィールド調査後は、収集したデータを分析し、研究論文の執筆に取り組みました。執筆した研究論文は計7本になりました。中でも「比較教育学研究」、「国際開発研究」、「アフリカ教育研究」の当該分野において日本を代表する3学術誌に採択された事は、顕著な研究成果かと考えられます。特に前者の論文においては、教員のインセンティブが、給与や教育学的動機付けから発生しているものではなく、地域における教員としての社会的価値の変化に大きく影響を受けているという点に着想し、論を進めました。また、関連する学会における研究発表も意欲的に実施しました。特に、比較国際教育学会(シカゴ)、日本比較教育学会、国際開発学会、アフリカ学会においては、積極的に研究発表を行い、参集者から高い評価を得る事が出来ました。また、2011年10月には本校において、私自身が事務局長となり、「第8回アフリカ教育研究フォーラム」を開催する事が出来ました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由としては、まず現地調査で得られたサンプル(質問紙調査)数が合計で150本に上り、当初の計画を上まわる成果を残した事が挙げられます。次に研究結果を集約したものを論文として纏め、学術誌に発表出来た事が挙げられます。当初計画に従い、希望する学術誌に投稿しました。途中、不採択の結果も有りましたが、頂いたコメントやご指摘を受けて修正した結果、計3本の論文が最終的に採択に至りました。 以上の進捗状況を鑑み、これまでの所は順調に研究が進展していると考えられます。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、博士論文の執筆に集中する計画です。これまで収集したデータや執筆してきた論文をもう一度検証し直して、博士論文として纏める事を考えています。研究を遂行する上での問題点としては、学会等で本研究に対して、教員給与や教員養成の経費など「コスト」面を具体的な数値で挙げるように、という指摘、ご指導を頂いています。しかしながら、具体的なコストに関しては、機会費用などの「隠れたコスト」などが占める割合も大きく、逡巡している所です。指導教官の先生が今年の9月からサバティカルに入るため、それまでには、何とか合格出来るレベルにまで達したいと思います。
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