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2010 年度 実績報告書

自己集合性かご型錯体内での新奇反応の創出

研究課題

研究課題/領域番号 10J08001
研究機関東京大学

研究代表者

堀内 新之介  東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード自己集合 / 分子認識 / 特異反応
研究概要

天然では、自己集合によって形成されたタンパク質の疎水ポケットを利用して、水中で高効率かつ高選択的な有機反応(酵素反応)を行っている。一方、人工系では多くのホスト化合物が合成されているものの、その孤立空間を利用し、新奇反応を創出した例はほとんどない。一方、今回用いる自己集合性かご型錯体は、これまでにも多くの新奇反応を生み出してきており、更なる新奇反応が期待できる。そこで本研究では、かご型錯体の疎水ポケットを用いた新奇反応の創出を目指す。
前年度までの研究で、かご型錯体内でのナフタレンの特異的Diels-Alder反応、不活性芳香族分子の[2+2],[2+4]付加環化反応に関する実験データを得ていた。そこで平成22年度には、それらの研究成果を学術論文としてまとめた。これらの反応は、かご型錯体を用いない場合は全く進行せず、新奇反応の創出に成功したといえる。
続いて、平成22年度の研究では、「かご型錯体内で起こる特異反応の熱力学的、速度論的解析」と「かご型錯体を用いたルテニウム2核錯体の反応制御」の2つをおこなった。解析の結果、新奇反応の創出の鍵が有機分子の包接状態(反応点の接近・固定)であることを実験的に明らかにした。また、この疎水ポケットを用いることで、ルテニウム2核錯体の反応性が変化することを見出した。
本年度に得られた以上の成果により、新奇反応創出の足がかりができたと考えられる。今後、これらの成果をもとに更なる新奇反応を探索していく予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Naphthalene Diels-Alder in a Self-Assembled Molecular Flask2010

    • 著者名/発表者名
      村瀬隆史・堀内新之介・藤田誠
    • 雑誌名

      Journal of The American Chemical Society

      巻: 132 ページ: 2866-2867

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Both [2+2] and [2+4] additions of inert aromatics via identical ternary host guest complexes2010

    • 著者名/発表者名
      堀内新之介・西岡友紀・村瀬隆史・藤田誠
    • 雑誌名

      Chemical Communications

      巻: 46 ページ: 3460-3462

    • 査読あり
  • [学会発表] M6L4中空錯体への包接を利用したルテニウム2核錯体の異性化抑制2011

    • 著者名/発表者名
      堀内新之介・村瀬隆史・藤田誠
    • 学会等名
      日本化学会第91春季年会
    • 発表場所
      神奈川
    • 年月日
      2011-03-29
  • [学会発表] Diels-Alder Reaction of Naphthalene within a Self-Assembled Cage2010

    • 著者名/発表者名
      堀内新之介・村瀬隆史・藤田誠
    • 学会等名
      International Symposium on Macrocyclic & Supramolecular Chemistry
    • 発表場所
      奈良
    • 年月日
      2010-06-09

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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