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2011 年度 実績報告書

LHC実験において, R-Parityの破れたSUSYを如何にして検証するか

研究課題

研究課題/領域番号 10J08132
研究機関東京大学

研究代表者

岩本 祥  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード素粒子物理学 / 超対称性理論 / LHC
研究概要

この宇宙は何から出来ており,どのような法則に支配されているのか。この問いに対し,人類は「標準模型」を構築した。しかし,標準模型の肝となる「ヒッグス粒子」はいまだ見つかっていない。また,標準模型では重力を書き表すことが出来ないし,宇宙にある「暗黒物質」も理解できない。
「超対称性理論(SUSY)」は,より根源的な理論として最も有力な候補である。この枠組みによれば,暗黒物質は説明できるし,標準模型の持っている異常な性質「階層性問題」も解決される。
現在CERNにおいて行われているLHC実験は,ヒッグス粒子や超対称性理論の証拠を発見することを目的としている。昨年LHC実験により,ヒッグス粒子の存在を示唆する結果が発表された。ところが,それらのデータは,ヒッグス粒子の重さは超対称性理論が想定するよりもチョット重そうだ,ということを示唆していた。
超対称性理論の想定よりも「チョット重い」というのは,超対称性理論の妥当性に関わる重要な問題である。超対称性理論の自然な枠組みの中でヒッグス粒子を「チョット重く」することは出来るのか。仮に出来たとして,その枠組みが正しいことをどうやって証明すればよいか。私の研究テーマは超対称性理論の検証であるので,この問題を重要視して研究活動を行った。
本年度,私は他の研究者とともに,ヒッグス粒子を「チョット重く」する手法を,2種類構築し,それらについての解析・検討を行った。さらに,その一方について,その枠組みが正しいことを証明するための手法を提唱した。特に重要な点として,その証明は比較的早いうちに(おそらく2年以内に)可能であるということを挙げておく。容易に検証できる自然で有効な枠組みを構築した,と自負している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

125GeVヒッグス粒子発見の兆候についてのLHC実験の発表を受けて,そのようなヒッグスの実現について2種の枠組みを提唱できたことは極めて大きな成果である。

今後の研究の推進方策

ヒッグス粒子の質量が想定よりもやや大きくなりそうだという事実から,超対称性粒子の質量が想定したよりも全体的に大きい可能性が高まってきた。そうするとR-parityの破れがある場合のシグナルも検出しにくくなることが想定される。そのため,今後は(1)超対称性粒子が重い場合にもシグナルが検出出来るような実験手法はあるか。(2)超対称性粒子のうち一部の質量を大きくしつつ残りを軽い領域に残すことが出来るか,出来るならばその場合どうやって超対称性理論を検証するか。という2つの方向で件風を進めていく。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Stau Kinks at the LHC2011

    • 著者名/発表者名
      Shoji Asai, Yuya Azuma, Motoi Endo, Koichi Hamaguchi, Sho Iwamoto
    • 雑誌名

      Journal of High Energy Physics

      巻: 12 ページ: 041

    • DOI

      10.1007/JHEP12(2011)041

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Higgs mass and muon anomalous magnetic moment in supersymmetric models with vectorlike matters2011

    • 著者名/発表者名
      Motoi Endo, Koichi Hamaguchi, Sho Iwamoto
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 84 ページ: 075017

    • DOI

      10.1103/PhysRevD.84.075017

    • 査読あり
  • [学会発表] Muon g-2 anomaly and 125 GeV Higgs : Extra Vector-like Quark and LHC Prospects2012

    • 著者名/発表者名
      Sho Iwamoto
    • 学会等名
      GUT 2012
    • 発表場所
      京都大学基礎物理学研究所、京都市
    • 年月日
      2012-03-15
  • [学会発表] g-2 and 125 GeV Higgs2012

    • 著者名/発表者名
      岩本祥
    • 学会等名
      札幌冬の学校2012
    • 発表場所
      北海道大学、札幌市
    • 年月日
      2012-03-09
  • [学会発表] Long-lived stau kink signature at the LHC2012

    • 著者名/発表者名
      Sho Iwamoto
    • 学会等名
      KEK-PH 2012
    • 発表場所
      高エネルギー加速器研究機構、つくば市
    • 年月日
      2012-02-27
  • [学会発表] Higgs Mass and Muon Anomalous Magnetic Moment in Supersymmetric Models with Vector-like Matters2012

    • 著者名/発表者名
      Sho Iwamoto
    • 学会等名
      Toyama in Winter 2012, Phenomenology and Cosmology Workshop
    • 発表場所
      富山大学、富山市
    • 年月日
      2012-02-20
  • [学会発表] Muon g-2 anomaly and 125 GeV Higgs : Extra Vector-like Quark and LHC Prospects2012

    • 著者名/発表者名
      Sho Iwamoto
    • 学会等名
      Physics Opportunities with LHC at 7 TeV
    • 発表場所
      高エネルギー加速器研究機構、つくば市
    • 年月日
      2012-02-18
  • [学会発表] In-flight-decay of Stau in the LHC tracker2011

    • 著者名/発表者名
      Sho Iwamoto
    • 学会等名
      IPMU-YITP School on Monte Carlo Tools for LHC
    • 発表場所
      京都大学基礎物理学研究所、京都市
    • 年月日
      2011-09-07
  • [学会発表] Long-lived Stau might be Detected in the LHC2011

    • 著者名/発表者名
      岩本祥
    • 学会等名
      原子核三者若手夏の学校
    • 発表場所
      白浜荘、滋賀県高島市
    • 年月日
      2011-08-20
  • [学会発表] Top Forward-Backward Asymmetry and Di-jet Cross Section in LHC2011

    • 著者名/発表者名
      Sho Iwamoto
    • 学会等名
      SI2011-ph
    • 発表場所
      人材開発センター富士研修所、富士吉田市
    • 年月日
      2011-08-13
  • [備考]

    • URL

      http://www.misho-web.com/phys/

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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