研究概要 |
これからの情報増大時代を考慮し,多種多様化する情報ネットワークにおいて,ネットワークを構成する各ノードが自律的に異常な振る舞いをするノードを正確に定義,検出することで異常ノードを回避したネットワークを自律的に再構築する自己組織化技術が必要とされている.そこで,本研究では多様なネットワーク上に存在する異常ノードを各ノードがネットワーク構築時から自律的に定義,検出し,さらにネットワークトポロジを考慮して異常ノードを適切に対処する高信頼型ネットワーク構築のための自己組織化技術の構築と,その有効性の評価を目的としている.2010年度の研究実績として,様々なネットワークの中で時間の経過により通信状況が変化する無線LANを用いたマルチホップ無線網に焦点を当てた異常ノードの自律的な検出手法を提案した.マルチホップ無線網はネットワークを構成するノード同士が無線通信で接続されているため,周辺の障害物や無線環境により通信性能が変動する.このようなマルチホップ無線網において異常ノードを誤検知せず,正確に検出するためのパラメータについて調査し,その調査結果を基に評価指標の候補を抽出し,異常検出アルゴリズムの検討を進めた.異常検出アルゴリズムには多数のノードの評価結果を利用し,集まったデータを集合知などの異常解析モデルをベースに,各ノードが自律的に異常ノードを検出するアルゴリズムを提案した.そして,このアルゴリズム評価のために,計算機シミュレーション上に異常検出アルゴリズムを実装し,この手法の有効性を検証した.
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