研究概要 |
去年度は、(1)対象化合物拡大を目的とし自然蛍光性アミン化合物を対象とする「フルオラス誘導体化法」の適用及び(2)誘導体化を必要としないフルオラスイオンペアを用いたメチル化アルギニンの選択的分析の開発を試みた。 (1)フルオラス誘導体化法による尿中自然蛍光性アミン分析 本法の適用範囲拡大のため、フルオラス誘導体化の対象官能基として、アミノ基を選択し、尿中に含まれる自然蛍光性アミンの一斉分析法の構築を試みた。フルオラス誘導体化試薬として分子内にパーフルオロアルキル基を持つイソシアネートを用い、測定対象物が持つ一級及び二級アミンに対し、フルオラス誘導体化を行った。その結果、アミノ基に対しても容易に本法適用可能であり、尿中の夾雑成分に妨害されることなく分析を可能とした。 (2)イオンペア-フルオラス分離技術によるメチル化アルギニンのLC-MS/MS分析 移動相中にフルオラスの性質を持つイオン対試薬を添加し、測定対象物とイオン対を形成させることでフルオラスLCカラムへの選択的保持を可能とするLC-MS/MS分析法を考案した。フルオラス-イオンペア試薬として1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,5-Undecafluorohexanoic acidを用い、分析対象物であるメチル化アルギニンのグアニジノ基とイオンペアと形成することで、分析対象物の選択的分離分析を試みた。本法を用いることで、誘導体化を行わずとも測定対象物をフルオラス分離することができ、簡便に試料中夾雑成分との分離を達成可能とした。
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