研究課題
スクアレン合成酵素遺伝子をコードするmRNA配列の構造予測を行い、mRNAがステムループなどの2鎖RNA構造を形成しにくい領域を選定し、10種類のスクアレン合成酵素遺伝子標的アンチセンス核酸を設計した。アンチセンス核酸の骨格には、全てホスホロチオエート(S-Oligo)骨格を使用した。更にS-Oligo骨格に、S-Oligo骨格に比べて標的配列への結合親和性が向上したBNA骨格を組み合わせたアンチセンス核酸も調製し、より効果的な配列のアンチセンス核酸の選定を行った。標的mRNAとの熱安定性はUV-melting測定により、血中核酸分解酵素に対する耐性能は血清中でインキュベートしたアンチセンス核酸をHPLCにより分析することにより、RNaseH活性はRNaseHで処理したアンチセンス核酸を変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分離することによって評価を行った。mRNAの発現量はアンチセンス核酸を、リポフェクション法によりマウス肝細胞由来のNMuLi細胞に導入し、リアルタイムPCRを用いて解析し、評価・比較を行った。BNA修飾を組み合わせたアンチセンス核酸は10種類の何れの配列でも、S-Oligo骨格のみのアンチセンス核酸と比較して標的mRNAとの熱安定性が高く、血中核酸分解酵素に対する耐性能も向上し、十分なRNaseH活性も保持していた。また、mRNAの発現量が顕著に低下した。このようにして評価を行ったアンチセンス核酸のうち、特にmRNAの発現量の低下が大きかった配列を選別し、標的配列への結合親和性が向上し、生体内での安定性にも優れたBNANC骨格を組み合わせた新規アンチセンス核酸を調製したところ、スクアレン合成酵素のmRNAの発現量が更に低下した。
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Chemistry-A European Journal
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