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2011 年度 実績報告書

ナイト流不確実性下の意思決定モデルの構築 : ニューロエコノミクスによる検討

研究課題

研究課題/領域番号 10J10437
研究機関北海道大学

研究代表者

犬飼 佳吾  北海道大学, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)

キーワードナイト流不確実性 / ニューロエコノミクス / 不確実性下の意思決定 / 実験経済学 / 行動経済学 / 期待効用理論 / 社会的選好
研究概要

本年度は、前年度までの研究を受け継ぐかたちで不確実性のもとでの意思決定について実証、理論の両側面からの検討を行った。実証面では、前年度より行なってきた行動実験結果を再考しつつ、新たな行動実験およびfMRI(機能的核磁気共鳴装置)を用いた脳機能画像計測実験を行った。これら一連の実験では、確率情報が所与である状況と確率情報が未知の状況(ナイト流不確実性下)の両状況を用意し、これらの状況のもとでの人々の行動反応を測定し、両状況における行動反応関数を同定すると同時に、これらの状況下における意思決定時における行動反応関数と脳活動との関わりを検討した。加えて、Voxel Based Morphometry法を用いた脳の構造測定実験や神経内分泌物質測定実験を行い、上述の行動反応関数から導かれる不確実性下の意思決定の個人差要因と脳構造および神経内分泌物質との関わりについて検討を行った。また一連の実験では上述の測定課題に加えて、不確実性下の意思決定と職業選択、日常生活における経済的意思決定傾向および税制の指示傾向などとの関連について従来の社会調査における調査結果を踏まえつつ探索的検討を行った。理論面では、上述の一連の実験知見を考慮し、これまで行われてきた不確実性下の意思決定におけるモデルを再整理するとともに、一連の実験結果を整理するための行動経済学、実験経済学モデルの作成のための基礎的作業を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究課題は、不確実性下、特にナイト流不確実性下の意思決定について行動実験および脳機能画像測定実験を通じてその行動および神経的基盤について検討するというものである。本課題二年目にあたる本年度は、前年度に行った本課題の予備的検討をさらに大規模に展開し、学生および一般人を対象とする実験を行た。加えて、従来の関連研究やモデルを整理しつつ新たな知見を発表するための準備も着実に進んでる。

今後の研究の推進方策

次年度では、これまでの実証的知見を整理しさらに追加の実験を行うと同時に、一連の実験結果を専門学術誌に公刊するための準備をすすめる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Empathizing with a dissimilar other : The role of self-other distinction in sympathetic responding2012

    • 著者名/発表者名
      Kameda, T., Murata, A., Sasaki, C., Higuchi, S., & Inukai, K.
    • 雑誌名

      Personality and Social Psychology Bulletin.

      巻: 38 ページ: 997-1003

    • DOI

      10.1177/0146167212442229

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Modesty in self-presentation : A comparison between USA and Japan2012

    • 著者名/発表者名
      Yamagishi, T., Hashimoto, H., Cook, K.S., Kiyonari, T., Shinada, M., Mifune, N., Inukai, K., Takagishi, H., Horita, Y., Li, Y.
    • 雑誌名

      Asian Journal of Social Psychology

      巻: 15 ページ: 60-68

    • DOI

      10.1111/j.1467-839X.2011.01362.x

    • 査読あり
  • [学会発表] 報酬分配と不確実性下の意思決定における脳機能解析:分配的正義の行動・心理・神経基盤の検討2011

    • 著者名/発表者名
      犬飼佳吾
    • 学会等名
      第15回実験社会科学カンファレンス
    • 発表場所
      早稲田大学(東京)
    • 年月日
      2011-12-28
  • [図書] 政治経済学の新潮流(分担執筆:第11章デュベルジェの法則の実験研究)2012

    • 著者名/発表者名
      肥前洋一・犬飼佳吾・黒阪健吾
    • 総ページ数
      22
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2013-06-26  

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