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2010 年度 実績報告書

ガンマセクレターゼ阻害剤および作用機構探索に用いる分子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10J10645
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

今村 優希  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードフォルダマー / βペプチド / γセクレターゼ / アルツハイマー
研究概要

筆者は、これまでに安定なヘリックスをとる(S, S)-2-Aminocyclopentanecarboxylic acid (ACPC)からなる12merのβペプチド(S-12)が強いγセクレターゼ阻害活性を示すことを明らかにしている。さらに活性の高いβペプチドの開発およびγセクレターゼが基質をどのように認識しているかを明らかにする目的で研究を進めている。
そこで、S-12の一部を側鎖官能基を有するβアミノ酸に置換したβペプチドを合成した。まず、S-12のどの部位が認識に重要かが明らかになっていないため、N末から3、6、9番目のアミノ酸残基をそれぞれトレオニン、セリン、グルタミン、アスパラギン、チロシン、グルタミン酸、リシン、ロイシンと同様の側鎖を有するβアミノ酸に置換したβペプチドを合成した。モノマーであるFmoc-βアミノ酸はそれぞれ対応側鎖を有するαアミノ酸からArndt-Eistert合成を用いて合成した。合成したモノマーを用いてFmoc固相合成により目的のβペプチドを合成し、HPLCを用いて精製を行った。目的物ができているかはMALDI-MSを用いて分子量を測定し、それぞれ目的物ができていることが確認された。合成したβペプチドの阻害活性を測定したところ、3番目を置換したものはS-12と同程度かそれ以上の活性を示したのに対し、6,9番目を置換したものはすべて阻害活性が低下した。そのため、N末から3番目のアミノ酸残基が阻害活性には重要であることが明らかとなった。この結果はいまだ明らかになっていないγセクレターゼの基質認識部位の構造に関して新たな知見を与えるものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (5件)

  • [学会発表] 基質認識機構探索をめざしたγセクレターゼ阻害フォルダマーの開発2011

    • 著者名/発表者名
      今村優希, 大沢智子, 梅澤直樹, 富田泰輔, 岩坪威, 加藤信樹, 樋口恒彦
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡県コンベンションアーツセンター グランシップ
    • 年月日
      2011-03-29
  • [学会発表] Synthesis of helical β-peptides with γ-secretase inhibitory activity.2010

    • 著者名/発表者名
      Yuki Imamura, Naoto Watanabe, Satoko Osawa, Naoki Umezawa, Taisuke Tomita, Takeshi Iwatsubo, Nobuki Kato, Tsunehiko Higuchi
    • 学会等名
      2010環太平洋国際化学会議(Pacifichem 2010)
    • 発表場所
      Hawaii Convention Center
    • 年月日
      2010-12-19
  • [学会発表] アミロイドベータの産生を抑制するヘリカルなフォルダマーの開発2010

    • 著者名/発表者名
      今村優希, 渡邊直登, 大沢智子, 梅澤直樹, 富田泰輔, 岩坪威, 加藤信樹, 樋口恒彦
    • 学会等名
      第22回生体機能関連化学部会若手の会サマースクール
    • 発表場所
      関ロッジ
    • 年月日
      2010-07-16
  • [学会発表] γセクレターゼ阻害能を持つヘリカルなフォルダマーの開発2010

    • 著者名/発表者名
      今村優希, 渡邊直登, 大沢智子, 梅澤直樹, 富田泰輔, 岩坪威, 加藤信樹, 樋口恒彦
    • 学会等名
      第56回日本薬学会東海支部総会・大会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2010-07-03
  • [学会発表] ヘリカルなフォルダマーを用いたガンマセクレターゼ阻害剤の開発2010

    • 著者名/発表者名
      今村優希, 渡邊直登, 大沢智子, 梅澤直樹, 富田泰輔, 岩坪威, 加藤信樹, 樋口恒彦
    • 学会等名
      第8回次世代を担う有機化学シンポジウム
    • 発表場所
      日本薬学会長井記念ホール
    • 年月日
      2010-05-13

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公開日: 2012-07-19  

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