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2010 年度 実績報告書

Stem Cell Agingを誘導するp16遺伝子発現上昇メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 10J10697
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

吉本 真  (財)癌研究会, 癌研究所がん生物部, 特別研究員(PD)

キーワードStem Cell Aging / 細胞老化 / p16^<INK4a>遺伝子 / 精子幹細胞の老化
研究概要

本研究は、"幹細胞の老化(Stem Cell Aging)"を誘導する細胞老化誘導因子p16^<INK4a>遺伝子の生体内における発現制御機構を明らかにし、加齢に伴う組織幹細胞の老化の分子機構を明らかにすることを目的とする。受入研究室にて作成された生体内で誘導される細胞老化をリアルタイムに可視化できるp16^<INK4a>遺伝子発現イメージングマウスを用いて、p16^<INK4a>遺伝子の発現が高い精巣に注目して解析を行った。精巣では精子幹細胞を含むと考えられているSpermatogoniaと呼ばれる生殖細胞群が存在しており、加齢に伴いその細胞数が減少することが報告されている。その結果精巣における精子形成能が低下し、精子数が減少すると考えられているが、詳細な分子機構は明らかにされていない。まず、精巣のHE染色を行った所、老齢マウスの精巣において精細胞が明らかに減少し、精巣上体尾部における成熟精子の減少も観察された。また、SpermatogoniaのマーカーPLZFの免疫染色により、加齢に伴ってPLZF陽性細胞数が減少することが示された。そこでp16^<INK4a>遺伝子の発現細胞を特定するため、連続切片を用いてp16^<INK4a>遺伝子のin situ hybridizationとPLZFの免疫染色を行った所、p16^<INK4a>遺伝子は幹細胞性の高いPLZF陽性細胞ではなく、精細胞の前駆細胞と思われる細胞で加齢に伴い発現が上昇する可能性が示唆された。さらに興味深いことに、p16^<INK4a>遺伝子欠損の老齢マウスの精巣では、同じ週令のWTの老齢マウスの精巣に比べ精細胞が多く存在していることが明らかになり、精巣においてp16^<INK4a>遺伝子は前駆細胞の細胞増殖を抑制することで成熟精細胞の減少を誘導している可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] A ZZ/ZW-type sex determination in Xenopus laevis2011

    • 著者名/発表者名
      Shin Yoshimoto
    • 雑誌名

      FEBS Journal

      巻: 278 ページ: 1020-1026

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intrinsic cooperation between p16Ink4a and p21Wafl/Cipl in the onset of cellular senescence and tumor suppression in vivo2010

    • 著者名/発表者名
      Shinji Takeuchi
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 70 ページ: 9381-9390

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Opposite roles of DMRT1 and its W-linked paralogue, DM-W, in sexual dimorphism of Xenopus laevis : implication of a ZZ/ZW-type sex-determining system2010

    • 著者名/発表者名
      Shin Yoshimoto
    • 雑誌名

      Development

      巻: 137 ページ: 2519-2526

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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