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2000 年度 実績報告書

放射光を用いた超臨界金属流体の静的・動的構造の解明

研究課題

研究課題/領域番号 11102004
研究機関広島大学

研究代表者

田村 剛三郎  広島大学, 総合科学部, 教授 (30155262)

研究分担者 下條 冬樹  広島大学, 総合科学部, 助手 (60253027)
星野 公三  広島大学, 総合科学部, 教授 (30134951)
乾 雅祝  広島大学, 総合科学部, 助教授 (40213136)
舟越 賢一  (財)高輝度光科学研究センター, 利用促進部門, 研究員
内海 渉  日本原子力研究所, 関西研究所, 研究員
キーワード超臨界金属流体 / 放射光 / 金属-非金属転移 / 流体水銀 / 流体セレン / X線回折 / X線小角散乱 / X線非弾性散乱
研究概要

X線回折測定(SPring-8のビームラインBL04B1):平成11年度の反省点として、実験精度をさらに向上させるためにはいくつかの問題点を克服する必要のあることが明らかになった。これらの問題点を解決するには、X線を出し入れするための高圧容器の窓の個数を増やすのが有効であると判断し、7個のベリリウム窓を取り付けた改良型高圧容器を設計し製作した。新しい高圧容器を用いて、流体セレンについて実験を行い詳しく解析を行ったところ、従来に比べて格段に良いデータが得られることが分かった。大きな成果として、これまで困難であった気体状態での構造解析が初めて可能になったことがある。気体状態での二体分布関数には、セレン2原子分子の存在を示す第1ピークが明瞭に観測された。今後、セレン分子が密度の増加と共にどのように流体へと凝集してゆくかという興味深いテーマをX線回折測定により追跡することが可能になる。流体水銀についても、新しい高圧容器を用いることによって精度の高い干渉関数を得ることができた。その結果、流体水銀の金属-非金属転移は、配位数が4程度まで減少し原子間距離がわずかに増加することによって生じた構造転移であることが、さらに明瞭に示された。X線小角散乱測定(BL04B2):超臨界金属流体の密度のゆらぎについての情報を得るために、X線小角散乱測定を行った。流体セレンについて実験を行い、臨界散乱の観測に初めて成功した。温度を1680℃に保ちながら圧力を変えてゆくと、459barで密度ゆらぎの相関長が極大を示し、その値が16.5Aであることが分かった。今後流体セレンについての測定を継続すると共に、流体水銀、さらにモリブデン試料容器を開発することによって、流体アルカリ金属について測定を行う。X線非弾性散乱測定(BL35XU):超臨界金属流体の動的構造を調べるためにX線非弾性散乱測定を行うが、今年度は、そのための高圧容器の設計・製作を行った。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] Y.Sakaguchi: "A technique for preparing submicrometer-size liquid film : development of a new type of optical cell"Review of Scientific Instruments. 71巻. 494-498 (2000)

  • [文献書誌] K.Tamura: "X-ray diffraction technique in energy-dispersive mode at Spring-8 for fluids at high temperatures and high pressures"Nuclear Instruments and Methods, Section A. (印刷中).

  • [文献書誌] M.Inui: "EXAFS measurements for liquid Ge-Si alloys"Journal of Synchrotron Radiation. 8巻. 767-769 (2001)

  • [文献書誌] X.Hong: "structural studies on expanded fluid selenium up to metallic region using synchrotron radiation"Journal of Non-Crystalline Solids. (印刷中).

  • [文献書誌] M.H.Kozi: "Small angle X-ray scattering measurements for fluid selenium near the liquid-vapor critical point"Journal of Non-Crystalline Solids. (印刷中).

  • [文献書誌] 田村剛三郎: "高温ステーション(BLO4B1)における金属流体の構造研究"日本結晶学会誌. 42巻. 33-40 (2000)

  • [文献書誌] 一色麻衣子: "高エネルギーX線回折ビームライン(BLO4B2)の試験調整運転状況"Spring-8利用者情報. 5巻. 94-99 (2000)

  • [文献書誌] S.Munejiri: "Dynamic structure of expanded liquid rubidium from a molecular-dynamic simulation"Journal of Physics : Condensed Matter. 12巻8号. 4313-4326 (2000)

  • [文献書誌] K.Hoshino: "Metal-semicondor transition in liquid alkali-Te mixtures : ab initio molecular-dynamic simulations"Journal of physics : Condensed Matter. 12巻8号. 189-194 (2000)

  • [文献書誌] Y.Senda: "The ionic structure and electronic states of liquid Li-Pb alloys"Journal of Physics : Condensed Matter. 12巻28号. 6101-6112 (2000)

  • [文献書誌] F.Shimojo: "Temperature dependence of atomic structure in liquid As_2Se_3"Journal of Physics : Condensed Matter. 12巻28号. 6161-6172 (2000)

  • [文献書誌] S.Munejiri: "Photo-induced structural change in liquid sulphur"Journal of Physics : Condensed Matter. 12巻・37号. 7999-8008 (2000)

  • [文献書誌] Y.Senda: "The polyanions in liquid alkali-lead alloys : ab initio molecular-dynamics simulations"Progress of Theoretical Physics. Supplement No138. 245-246 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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