研究課題/領域番号 |
11112226
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研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
浅川 滋男 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 遺構調査室長 (90183730)
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研究分担者 |
西山 和宏 , 研究員 (10290933)
大貫 静夫 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 助教授 (70169184)
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キーワード | 竪穴住居 / 定住性 / 北米先住民 / 古アジア語族 / ツングース / 焼失住居 / 擦文文化 / アムール川 |
研究概要 |
これまでの調査・研究成果として、『北東アジアのツングース系諸民族住居に関する歴史民族学的研究』を刊行した。本報告書によって、中国東北・ロシア極東地域の住居址をひととおり集成したので、今年度は朝鮮半島の発掘住居址の整理・分析を開始した。日本側の考古資料については、東北地方と北海道の焼失住居址データを集成した。ただし、建築構造を復元しうるだけの縄文時代の焼失事例はきわめて少なく、北海道では擦文文化、東北地方では平安時代の遺構が非常に多い。今後は、擦文文化/平安時代の住居復元を進め、構造の比較検討を試みたい。 一方、民族誌資料については、中国側のツングース系諸民族と朝鮮族の住居・集落だけでなく、アムール北岸先住民の住居調査についても報告した。また、アメリカ合衆国のUCバークレー校、ハーバード大学ピーボディ博物館、ニューヨーク自然史博物館を訪れ、竪穴住居を中心に北米先住民の住居・集落に関する資料収集をおこなった。UCバークレー校の羽生淳子準教授からは、北米先住民の住居・集落に関する民族学・考古学的研究についてレビューをうけた。これらの資料から、北方ユーラシア・北アメリカにおける竪穴住居の類型別分布図を作成し、本科学研究費によるシンポジウム「北東アジアの自然と文学史」(1999年12月11日/北大)において、「黒龍江流域の住居変化」と題する発表をおこなった。
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