研究課題/領域番号 |
11118212
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安斉 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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研究分担者 |
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302170)
鈴木 巌 東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (30226493)
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キーワード | 2種酵素 / 修飾電極 / センシング / 酵素積層膜 |
研究概要 |
アビジンとビオチン標識グルコースオキシダーゼ(GCx)およびガラクトシダーゼ(GAL)を同時に固定化した乳糖計測用センサーを作製し、酵素膜の構造制御に基づく性能の最適化を検討した。電極状に10層のGoxを固定化し、その表面にさらにGAL累積膜を層数を変えて被覆した。GALの触媒反応により生成したグルコースはGoxにより酸化されたH_2O_2が生成するが、その際のセンサーの最大電流と見かけのミカエリス定数を測定したところ、GAL層数に依存して最大電流が増加した。センサーの最大電流は酵素膜中の酵素活性に依存するので、GAL層数の増大とともに応答電流も増大したと考えられる。また、見かけのミカエリス定数はGAL層数には依存しなかった。これは、固定化されたGALがすべて同一の特性を示していることを示している。センサー応答速度はGAL層数に依存せず、10秒程度と速いことから、乳糖やグルコースは膜内を迅速に拡散していると推定される。またGoxとGALの酵素膜中での累積順序をかえて異なる構造の酵素膜を作製し、乳糖センサーの応答の最適化を検討した。(1)5層Gox+5層GAL、(2)5層GAL+5層Gox、および(3)交互にGoxとGALを各5層、の3種類の酵素膜を作製した。その結果、最大応答電流は、(1)が18nA、(2)が15nA、および(3)が30nAとなり、(3)の膜が最も活性が大きいことが明かになった。膜内で2種類の酵素が最も均一に分布している場合に、酵素の逐次反応が効率よく進行することを示している。また、(2)の膜ではミカエリス定数が大きくなる傾向が認められた。以上の結果より、2種類の異なる酵素を積層膜として電極に修飾すると、センシングの高性能化に有効であることが明かになった。
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