酸化還元酵素の代表的な補酵素であるフラビンと電極との電子移動を円滑に行なう分子界面を構築することにより酵素-電極間の電子移動にもとづく生物分子認識界面の構築を目指したペプチドによる分子界面設計を行なった。 アミノ酸16個から成るペプチドは電極上でアルファヘリックス構造を形成し、その状態で電極上に自己集積を行なう事が出来るように設計した。その電極上における構造が設計とおりであることをラマン分光法および化学定量法を用いて確認した。そして、3種類ペプチド配列による分子界面を設計し電気化学的評価を行なったところ、フラビン修飾部位に疎水性アミノ酸ドメインを形成することにより電気化学反応速度を著しく向上できる事を明らかにした。この分子界面はペプチドにより構成されるため、タンパク質そのものにこのアミノ酸構造を遺伝子工学的に導入することによって電極反応性が高く、センサヘの応用が容易なタンパク質を構築でき得る事が示唆された。
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