研究概要 |
本年度は下記の2つの研究項目について研究を行った。 (1)選択無電解めっきによる金属微細構造の作製 炭素数18個のアルキル基からなる単分子膜(octadecylsilyl,ODS,膜厚約2nm)をレジストに用いる単分子膜リソグラフィ技術による電極表面の微細構造化表面修飾について研究を行い、ODS膜上へ描画したパターンを、金属の微細構造へと転写するプロセスを開発した。本プロセスは、昨年度の研究によって開発されたプロセスを発展させたプロセスで、昨年度の研究では金の選択無電解めっきしかできなかったが、パラジウム触媒のマイクロパターンによって、金以外の金属マイクロパターンを無電解めっきによって作製することが可能になった。実際にニッケルの選択堆積を行った。 (2)金微細構造電極の分子修飾 単分子膜リソグラフィ〜選択無電解メッキによって作製した金微細構造を選択的に表面修飾する実験を行った。硫黄化合物有機分子を金表面だけに吸着させ、金表面に自己組織化単分子膜を形成できることを実証した。 (3)半導体ナノ電極の作製 ODS膜をレジストに、AFMリソグラフィ技術によってシリコンのナノ構造を作製した。SOI基板を微細加工することによって、絶縁体基板上に孤立したシリコンナノ構造を作製することに成功した。 以上の研究結果により、単分子膜リソグラフィによってマイクロからナノメートルスケールの微細構造をもった電極を作製することができるようになった。
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