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1999 年度 実績報告書

キラルらせん構造を持つ電子導電性無機結晶電極による不斉認識界面の構築

研究課題

研究課題/領域番号 11118237
研究機関京都大学

研究代表者

八尾 健  京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)

キーワードキラルらせん構造 / 不斉認識 / 界面 / 無機結晶
研究概要

光学異性体は、物理的、化学的性質の多くが同一であり、界面での配向性を制御することによりその分離を行うことは容易ではない。不斉認識法として、光学活性有機物を用いる方法があり、実用化もされているが、熱的、化学的、長期的な安定性に問題がある。これに対し、無機化合物はこれらの安定性に優れている。キラルらせん構造を持つ無機結晶の、右水晶(空間群:P3_12)と左水晶(空間群:P3_22)をそれぞれハンマーで砕き、遊星型ボールミルで粉末状にした。この粉末をふるいにかけ、粒径をそろえた。これを純水、アセトン、2-プロパノール、クロロホルム、n-ヘキサン、ジエチルエーテルの順に洗浄をした。これを中圧液体クロマトグラフィーカラムの充填材として用い、DLアミノ酸の光学分割を試み、右水晶をプラズマ表面処理し結晶の表面に水酸基を化学修飾し、DL-アラニンを不斉認識対象分子として用いた場合、(S)-体の方がより強い相互作用を受けることが、また一方、同様にプラズマ処理を行った左水晶を用いたところ、右水晶の場合と逆の選択性を持つことが確かめられた。更に、0.0444MDL酒石酸/0.5MNaOH水溶液を20mlずつ3つに分け、上記の右水晶、左水晶の粉末をそれぞれ5gずつ加え、24h攪拌した。この溶液を1μmの濾紙で濾過し、それぞれの旋光度を測定した。旋光度の変化から、右水晶表面にL酒石酸が、左水晶表面にD酒石酸が選択的に吸着していることがわかった。水晶粉末はアルカリ水溶液中でDL酒石酸の光学分割を行うことが可能であった。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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