原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、層状無機酸化物の一つであるチタン酸セシウム(Cs_xTi_<2-x/4>□_<x/4>O_4)の表面構造を原子分解能で検討し、また、その電気化学的挙動をその場観察した。チタン酸セシウムの粉体を塩酸溶液中で撹拌することによって、プロトン交換したチタン酸(H_xTi_<2-x/4>□_<x/4>O_4・H_2O)を作製した。そのプロトン交換チタン酸の懸濁液をチタン酸のシートとして表面が平滑な種々の基板上にスピンコートし、プロトン交換チタン酸薄膜を作製した。その表面をAFMで測定すると、長方形に並んだ原子分解能像を観察することができ、表面は(020)面を示していることが示唆された。この結果はXRD測定から分かった薄膜のb軸配向性と非常に良く一致した。また、基板表面にチタン酸シートを非常に薄くスピンコートした膜のAFM観察では、チタン酸シートが2層一組として基板上に析出していることが分かった。 酸性溶液中で、チタン酸シートの電気化学的挙動をその場観察すると、電位を負にするとチタン酸のシートが金属基板上へ吸着し、また電位を正にすると表面から脱離することが分かった。これは、酸性溶液中では層間にプロトンが存在し、シート全体が正に帯電しているためであると考えられる。また、電解質溶液中でも負の電位で基板表面に吸着したシートの最外層に対応する酸素原子の原子分解能像を観察することができた。 また、泳動電着法によって層状薄膜の作製も試みた。
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