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1999 年度 実績報告書

アート錯体を用いる遷移金属触媒反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11119218
研究機関東京工業大学

研究代表者

小林 雄一  東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (90153650)

キーワードkoromicin / 合成 / 構造決定 / ニッケル触媒 / カップリング / ホウ素化合物 / ボレート
研究概要

近年,korormicinの生物活性が注目を集めている。この分子は海洋グラム陰性菌に対してのみ活性を示し,この性質を利用して起源の不明な菌の分類が可能である。また,魚の養殖への応用も考えられている。しかし,cis,trans共役ジエンと3個の不斉中心を含む平面構造が提案されているにすぎず,このままでは生物学的研究が進まない。そこで我々は,立体構造を決定する研究を行った。
korormicinのジアステレオマー(エナンチオマーは除く)は4種類考えられる。我々はラクトンの不斉炭素を5Sに固定した4種類のジアステレオマー[(5S,3'R,9'S,10'R)体,(5S,3'S,9'S,10'R)体,(5S,3'S,9'R,10'S)体,(5S,3'R,9'R,10'S)体]を合成し,それぞれの^1H NMR,^<13>C NMR,[α]_Dを文献値と比較して決定することにした。各異性体の合成では,立体的に込んだ位置にある共役ジエンの構築が問題であった。我々は,昨年度のこの特定研究で開発した高反応性ボレートを用いてこの問題を解決し,4種類のジアステレオマーを効率よく合成できた。合成したジアステレオマーの^1N NMR,^<13>C NMRを調べたところ,文献値とほぼ同じ値を示しており,スペクトルによる決定は不可能であった。しかし,[α]_D値はそれぞれ異なっており,文献値(-24.4)に一番近い値を示した(5S,3'R,9'S,10'R)-異性体を天然のkorormicinと決定した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y. Kobayashi, Y. Nakayama, S. Yoshida: "Determination of the stereoisomer of korormicin from eight possible stereoisomers by total synthesis"Tetrahedron Letters. in press (2000)

  • [文献書誌] Y. Tokoro, Y. Kobayashi: "Realisation of highly stereoselective dihydroxylation of cyclopentene in the synthesis of (-)-aristeromycin"Chemical Communications. 807-808 (1999)

  • [文献書誌] 小林雄一: "有機ホウ素アート錯体を用いるカップリング反応と有機合成への応用"有合化. 57・10. 845-855 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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