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1999 年度 実績報告書

シリルスタナンを用いるケイ素ーケイ素インターエレメント結合の新規構築反応

研究課題

研究課題/領域番号 11120261
研究機関熊本工業大学

研究代表者

池永 和敏  熊本工業大学, 工学部, 助教授 (70176113)

キーワードシリルスタナン / インターエレメント結合 / ケイ素ーケイ素結合 / シリルリチウム / オリゴシラン / ポリシラン / ポリカルボシラン / 有機リチウム化合物
研究概要

昨年までの知見をもとに当該科目の研究を行った。得られた成果を以下にまとめた。
(1)シリルスタナンと有機金属化合物の反応における機構の解明
シリルスタナンを用いたケイ素ーケイ素インターエレメント結合の新しい構築方法を確立するため、有機金属化合物とシリルスタナンの反応機構を解明し、さらにシリルリチウムの簡便な調製法として利用可能であるかについて検討した。
(a)パラジウム錯体とシリルスタナンの不均化反応におけるスズ原子上のメチル基転移反応の構築(スタニレンの捕捉) : 捕捉剤として種々の不飽和化合物を共存して検討したが、不均化反応よりも不飽和化合物へのシリルスタニル化反応が優先して進行したので、目的とするスタニレンの捕捉は達成できなかった。
(b)有機リチウム化合物とシリルスタナンとの反応において発生するシリルリチウム種の捕捉および安定なシリルリチウムの調製法の確立 : ケイ素上の置換基に2個のメシチル基を導入した場合、初めてシリルリチウム種の捕捉に成功した。実際には求電子試薬との反応で捕捉した。
例 : Mes_2MeSiSnMe_3+n-BuLi→Mes_2MeSiLi,Mes_2MeSiLi,+Z-E→Mes_2MeSiE;Z-E=HO-H(54%);C1-CH_2Ph(31%);C1-SiMe_3(47%).
(2)オリゴシラン、ポリシラン、およびポリカルボシランの新しい合成法の開発とその性質
有機リチウム化合物とシリルスタナンとの反応を用いてオリゴシラン、ポリシラン、およびポリカルボシランの新しい合成法の検討を行った。
(a)ビス(スタニル)シリル化合物を用いてビス(スタニル)ジシランの合成に成功した。
例 : Me_3SnSiX_2SnMe_3+n-BuLi→Me_3SnSiX_2SiX_2SnMe_3;X=Me(31%),Et(67%),Ph(71%),Ph,Me(42%).
(b)ビス(スタニルシリル)化合物を用いてビス(スタニル)オリゴシランの合成に成功した。
例 : Me_3SnMe_2SiXSiMe_2SnMe_3+n-BuLi→Me_3Sn[Me_2SiXSiMe_2]_nSnMe_3;X=1,4-Ph(54%,Mn=1300),2,5-thiophene(31%,Mn=1700),p-xylylene(99%,Mn=1500).
(c)物性について : シリル基よりもスズ基の方がオリゴシラン類のUVのλ_<max>をより長波長シフトした。
例:Me_3SiSiMe_2SiMe_3(215nm),Me_3SiSiMe_2SnMe_3(231nm),Me_3SnSiMe_2SnMe_3(243nm).

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 池永和敏: "ケイ素ースズ結合を有する化合物を用いたケイ素ーケイ素結合を有する化合物の製造方法および新規なケイ素ースズ結合を有する化合物"特開 2000-053770. (2000)

  • [文献書誌] 池永和敏: "有害生物防除薬剤"公開特許公報(A)特開 2000-44405. (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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