研究課題/領域番号 |
11122214
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高原 淳一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (90273606)
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研究分担者 |
小林 哲郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (10029522)
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キーワード | 低次元光波 / 2次元光波伝送路 / 2次元光波位相変調器 / 2次元光波検出器 / 電気工学触質 / 光近接場 / ナノ光回路 |
研究概要 |
本研究者らは従来より低次元光波の概念を提案し、低次元光波伝送路とよばれる回折限界より十分小さなナノメートルオーダーの光伝送路について研究してきた。低次元光波伝送路を利用すると光集積回路を超微細化したナノ光回路が実現できるが、そのためにはこの伝送路に機能性を持たせる必要があった。本研究では、低次元光波伝送路に機能性を持たせるために、伝送路の一部を電気光学媒質とした構造について理論的に調べ、新しい低次元光波変調素子の提案を行っている。また、この素子のナノセンシングへの応用についても提案を行っている。以下が、現在までの研究成果である。 1.2次元光波位相変調器、強度変調器の提案と解析: 2次元光波伝送路の一部を電気光学媒質とした2次元光波位相変調器を提案した。また、位相変調器2個を組み合わせたマッハツエンダー型2次元光波強度変調器を提案した。2次元光波位相変調器の解析を行い、電気光学結晶としてLiTaO_3を用いたときの半波長電圧を求めた。位相変調器は素子厚がナノメートルオーダーであるために、通常の導波路型光位相変調器より低電圧で位相変調が可能であることがわかった。 2.ナノセンシングのための新原理の提案: 2次元光波位相変調器の逆過程である光整流効果を応用して、微小領域の低次元光波の変化を電圧として検出するセンサー「2次元光波検出器」を提案した。従来のナノセンシングでは、表面に発生した光近接場をプローブにより伝搬光に変換し遠視野で検出するが、この素子は2次元光波を近接場において直接検出するという新しい方式である。
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