研究課題/領域番号 |
11123220
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 精治 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70163409)
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研究分担者 |
河野 日出夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273574)
大野 裕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80243129)
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キーワード | GaInP / 反位相境界 / カソードルミネセンス / 透過電子顕微鏡 / 量子井戸 / 偏光分光 |
研究概要 |
結晶学・電子論の両面から微視的に相変態現象を研究するため透過電子顕微鏡法と分光学的手法を組合わせた複合的研究法「可視分光・透過電子顕微鏡複合法」を開発した。この手法をCuPt型の規則構造を持つGaInPの反位相境界の研究に適用し、試料中のメゾスコピックな領域での構造変化と、それに付随する電子状態の変化を原子レベルで理解した。 高い空間分解能を持つカソードルミネッセンス測定法によりはじめて反位相境界からの微弱な偏光発光を検出した。バンド間遷移によるバンドギャップエネルギーE_gにピークを持つ発光に加え、より低いエネルギー側に4つの発光線として観察された。詳細な実験の結果、これらの発光は(T11)および(T10)原子面と平行な反位相境界面からの発光と分かった。発光の偏光特性を調べ、反位相境界に水平な面内に偏光していると結論された。これらの結果を統合すると、反位相境界内でホールの量子閉じこめが生じて2つの新しいホール準位が形成され、それらの準位を介して発光が生じると結論された。 今回調べた発光線はマクロスコピックな研究によりその存在自体は10年以上も前から知られる。その発光起源の詳細な解明は、この複合研究手法を用いることで我々が初めて成し得たことであり、この手法の優位性・有益性を示している。今後はこの装置を、空間的に組成や構造の異なる様々な不均一試料に適用し、電子論・構造論の両面からより微視的な相変態研究を進めたい。
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