研究概要 |
B-C-N-H系有機金属鎖体からBNCアロイを合成し、アロイの組成・構造とリチウム放電容量との関係を調べることを目的とした。ピリジン、ピロールあるいはビニルピリジンなどにポラン-メチルサルファイド鎖体を滴下し、ピリジン・ポラン、ビニルピリジン・ボランあるいはピロール・ボラン鎖体を合成した。溶媒に不溶の誘導体にした後、熱処理を行うと、BNCアロイが得られた。 FT-IR、固体NMRおよびXRDから、いずれも試料でも層構造で、ピリジン・ボランからの場合には三配位B、ビニルピリジン・ボランおよびピロール・ボランからの場合には四配位Bであった。ピリジン・ボラン鎖体から合成されたBNCアロイは半導体的で、ピロール・ボラン鎖体から合成されたBNCアロイは金属的であった。種々のアロイについて、Li|LiClO_4-EC,DEC|BNCの系で0Vから4.2Vの間のLi放電特性を調べた結果、三配位Bの層構造をとるピリジン・ボランから誘導されたB-N-Cアロイが最も大きな放電容量を示した。組成がほぼ同じ試料間でも容量に明らかに差が認められたことから、B-N-Cアロイがある程度の導電性を有するのなら、組成よりもアロイ中のBの配位数、すなわち平面三配位構造を有していることが高容量化にとって最も重要であることが本研究の結果示された。
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