テトラエチルオルトシリケート(TEOS)とフェノール樹脂の混合溶液に、テトラエチルボレート(TB)もしくはチタニウムイソプロポキシド(TTIP)の少量添加を行い、前駆体ゲルを調製した。このプロセスにより、シリカとホウ素酸化物もしくはチタン酸化物とがゲル中に透明に保持された状態で、前駆体を得ることが出来る。乾燥の後、様々な温度で焼成し、ゲルの熱分解過程についてFT-IRおよび^<29>Si-MAS-NMRによる測定を行ったところ、フェノール樹脂に由来する炭素と各種アルコキシド由来の酸化物とが、熱分解過程によって分離することなく、非常に微細な複合化を保っていることが示唆された。いったん1273Kで焼成し、さらに1873Kにて所定温度保持することによって、熱炭素還元を行い、炭化物系セラミックスの複合粉末を合成した。さらに粉末に対して、^<29>Si-MAS-NMR、X線回折、SEMによる観察を行った。初期のアルコキシド添加の種類、量によって、生成粒子の形態、結晶子のサイズと会合状態、積層不整の程度、などが大きく変化することが示唆された。
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