炭素繊維に微生物が迅速かつ大量に固着する現象が見つけられた。この現象は、河川、池水、都市下水などの水質浄化、汚染処理、藻場形成へと展開された。 炭素繊維を使った水質浄化技術の特徴は、(a)活性が持続する、(b)炭素繊維に形成された生物膜がはがれない、(c)発生する汚泥が極めて少ないなどであった。また、炭素材料は、微生物に対して特異な増殖挙動や、活性を示した。 本研究は、炭素繊維が示す活性汚泥の大量固着挙動を解明するために、炭素繊維へ活性汚泥、原生動物および細菌などの微生物(微小生物)が迅速に固着現象に影響を与える諸因子について検討した。 検討項目は、(1)炭素繊維関係、(2)炭素繊維の表面処理関係、(3)汚泥関係、および(4)浸漬条件関係などであった。汚泥の早期固着は生物膜の迅速形成になった。本実験結果を総括し対生物用炭素材のマクロな形態、ミクロな表面構造の構築に結びついた。
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