研究概要 |
(1)食品工場における環境負荷の評価に関して、ビール工場における原料から製品ビールに至る製造工程をLCAインベントリー解析して、製品ビールに負わされる累積CO_2排出原単位を求めた。その結果、累積CO_2排出原単位の55%以上が製造各工程で投入される水道、電力、ガス、灯油など工程ユーティリティに関係していること、排水をメタン発酵してバイオガスを回収して、燃料電池によって電力変換した場合、工場の年間電力の9.74%をセーブできて、2.99%の累積CO_2排出原単位の削減になると分かった。 (2)核廃棄物のメタン発酵によるエネルギー回収に関して、トーフ工場から排出されるおからを、有機廃液である寄せ込み排水とともにメタン発酵する場合の、メタン回収率の向上について検討した。その結果メタン転換率は、おから単独基質の場合には理論値の95%近くまで可能であるが、寄せ込み排水単独では理論値の64%程度にとどまった。しかし、寄せ込み排水をおからと混合処理した場合、理論値の80%近くまで上昇し、エネルギー(有機炭素)回収率の向上がはかれることが分かった。 (3)食品廃棄物を原料とする活性炭製造とその用途開発に関して、ビール滓、おから及び酒粕を原料として、これらを炭化後水蒸気賦活する事によって活性炭を製造した。製造された活性炭は市販ヤシガラ炭と同等の比表面積を有することが分かった。また、薬品賦活法によって製造したおから活性炭の液相で農薬(2-4-D,CAP)の吸着特性を評価した。その結果、各農薬に対して吸着等温線はフロインドリッヒ式で表された。またおから活性炭は低濃度域での吸着能が高く、吸着速度も高いことが分かった。
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