研究課題/領域番号 |
11128256
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
村上 定瞭 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00035065)
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研究分担者 |
森岡 弘 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (00249848)
竹内 正美 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30043889)
柿並 孝明 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (30224348)
林 知得 三菱重工業株式会社, 下関造船所・船舶海洋部・新製品課, 課長代理
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キーワード | ゼロエミッション / 水産養殖 / 環境負荷 / 生態系 / 物質・生物変換 / 水耕栽培 |
研究概要 |
1.研究目的 我が国では、養殖の自家汚染による被害が年々増加している。海外では水質汚濁のみでなく、疲弊した養殖場の代替地の開発により環境破壊が繰り返されている。本研究の目的は(1)水産養殖における水域の環境負荷の実態を明らかにすること、(2)生態系の浄化能強化による養殖の自家汚染防止技術を開発すること、(3)生産性の向上と環境破壊を目的とするゼロエミッション型養殖システムを開発することである。 2.研究成果 (1)水産養殖による環境負荷の実態調査 国内の養殖による環境汚染の実態を水産統計から推定した。各水域の海面養殖はその形態により、環境汚染型及び環境浄化型の2つの類型に分類された。環境汚染型は、投餌負荷量>貝類・海草収穫量で、九州地区は魚類養殖に特化しており全てこの類型であった。環境浄化型は、投餌負荷量<貝類・海草収穫量で、北海道・東北・瀬戸内海の各海域がこの類型であった。 (2)藻類飼料化によるゼロエミッション型水産養殖システムの開発 無機塩類に富む養殖水を利用して微細藻類を培養・回収し、生分解性へ物質変換し、これを培地として微生物・小動物を培養し小魚の飼料とする方法を実験的に検証した。回収藻類から微生物・小動物を経て小魚への変換効率等を求めているが、総合的評価は、継続して実験・検討中である。 (3)水耕栽培を併用したゼロエミッション型水産養殖システムの開発 生態系のモデル植物として野菜を用い、ゼロエミ型水産養殖モデルの実験を行った。このモデルは飼料→魚類養殖→残渣・排泄物→微生物→無機塩類→水耕栽培→収穫に対応する閉鎖性生態系物質フローの経路で、魚類飼育池、生物浄化装置及び水耕栽培池より構成された。生態系浄化能により実験池の水質は良好に維持された。ウォーターレタスの収穫量及びその浄化機能を定量的に把握できた。
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