研究概要 |
東大気候システム研究センターで開発された海洋生物化学大循環モデルを国際炭素循環モデル相互比較プロジェクト用に変更したものを用いて研究を行った。現在、そのプロトコルに従って、生物過程(生物ポンプ)が入っていないモデルの計算は終了し、生物過程も含むモデルで計算中である。今のところ、季節変化を含む深層まで平衡状態になった物理場(温度・塩分分布および流速場)を求めることは、非常に計算資源を必要とするため、本年度は季節変化が入っていない年平均状態を計算しているが、現在、季節変化が入った平衡状態も、同時変更して計算を行っているため、次年度以降利用可能となる予定である。 具体的には、まず、平衡状態を求めるため、大気中二酸化炭素濃度を278ppmに固定して、海洋物質循環モデルを約12,000年計算を行い深層を含めて、平衡状態を得る。この次に、西暦1760年から1990年まで観測された大気中二酸化炭素濃度を与えることで、人為起源二酸化炭素がどのように分布するかを計算する(Historical実験)。その後IPCCレポートの2つのシナリオIS92aおよびS550に基づいて計算する(IS92a実験およびS550実験)。これらの結果は、OCMIPとして次のIPCCレポートに取り入れられる予定である。また、ベルン大学のF.Joosの提案で、瞬間的に大気中二酸化炭素濃度を2倍にして、大気海洋間の二酸化炭素の全量を保存するよう計算する実験(pulse実験)も行った。 なお、一連の実験結果は、ホームページ上に公開することを目指しているが、どのように公開するかは、ただいま試行中である。
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