一昨年12月に京都で開かれたCOP3で合意されたことでも分かるように、陸上生態系のCO_2吸収能力定量的な評価が、国際的に大きな検討課題となってきた。このような国際情勢をふまえて、現在、私のところで開発しつつある全球の陸上生態系モデル(Sim-CYCLE)に基づいて、地球全体の陸上生態系、特に森林生態系が、光合成、呼吸、土壌有機物分解などの生物の生理生態過程を介して、大気中のCO_2濃度変動に対してどのように応答し、現在進行中の人間活動によるCO_2濃度上昇をどの程度まで抑制しうるかを、定量的に予測した。 これまでに私が行ってきた植物の生理生態学過程に基礎をおいた炭素動態モデルをさらに拡張して、高解像度の全球陸上生態系モデル、および日本列島を対象とした超高解像度の陸上生態系モデルを開発した。
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