CooAによる標的DNAの特異的認識、および結合機構を明らかにするため、CooA中に存在するDNA結合モチーフである、ヘリックス・ターン・ヘリックスの認識ヘリックス上のアミノ酸残基に変異を導入した変異型CooA、およびCooAの標的DNA中の塩基に変異を導入した変異型レポーター系を調製し、それらの活性を評価した。CooAにおいて、ヘリックス・ターン・ヘリックス構造中の認識ヘリックスを構成していると考えられる、177残基目から183残基目までのアミノ酸に、それぞれ変異を導入し、それらのin vivoにおける活性を測定した。その結果、Arg177、Gln178、Ser181を、それぞれVal、Glu、Glyに置換した変異型CooAは、エフェクターであるCOの有無によらず、転写活性化因子として不活性であった。一方、Ala183をThrあるいはIleに置換したものは、COの有無によらず、常に活性を示した。上記の位置以外に変異を導入した場合は、野生型CooAの場合と同様、CO存在下でのみ活性を示した。今回使用したin vivoレポーター系では、CooA結合配列として、TGTCA・・・・・・CGACA(・はCooAの結合には関与しないと考えられる塩基を示す)という配列を有している。この配列中の2番目のGをAに、15番目のCをTに置換した場合(G2A/C15Tと記す)、およびA5C/C12Gの変異を導入した場合は、野生型の場合と同様な活性を示した。T3G/A14C、C4A/G13Tの変異を導入した場合には、活性が消失した。これらのことから、変異導入により活性が消失する位置のアミノ酸残基、および塩基が、CooAとDNAとの特異的結合に関与しているものと考えられる。
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